“こんもり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蓊欝24.1%
鬱蒼24.1%
蓊鬱17.2%
欝蒼13.8%
蓊乎6.9%
鬱然6.9%
蓊然3.4%
鬱茂3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其青田を貫いて、このの横から入つた寺道が、二町許りを真直ましぐらに、宝徳寺の門に隠れる。寺を囲んで蓊欝こんもりとした杉の木立の上には、姫神山が金字塔ピラミツトの様に見える。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
殿下に手を執られて、いしだたみを踏んでしっとりと露を帯びた、芝生へ降り立った。ぶなの大木が鬱蒼こんもりと枝葉を繁らせて、葉陰に二、三脚のベンチが置かれてある。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
眼に見えるようなは其而已そればかりでなく、其時ふッと気が付くと、森の殆ど出端ではずれ蓊鬱こんもり生茂はえしげった山査子さんざしの中に、るわい、敵が。大きな食肥くらいふとッた奴であった。
するとあいちやんはなんおもつたか一生懸命しやうけんめいしてたちま欝蒼こんもりしたもりなか無事ぶじみました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
う札幌に着くのかと思つて、時計を見ると一時を五分過ぎてゐた。窓から顔を出すと、行手にあたつて蓊乎こんもりとした木立が見え、大きい白ペンキ塗の建物も見えた。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
若葉の鬱然こんもりとしたやしろの森には赤、白の小旗が幾つともなく風にひるがえって、海と色が通う空には大旗が風に鳴って、町の家々の軒には角燈籠が懸られ、太鼓の音と笛の音が聞えた。
蝋人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この垣の外は五六間の空地あきちであって、その尽くるところにひのき蓊然こんもりと五六本ならんでいる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
行くうちに、岩屋道の道しるべを見て、急角度の石段を下りかけると、道中の鬱茂こんもりした常磐木の緑に暗くなつてゐる眼先に、忽ち、美しい海景が展けた。
滑川畔にて (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)