鬱然こんもり)” の例文
もっと葉のやわらかなような、色の緑色のほうきを立てたように鬱然こんもりとした、而して日の弱い光りを浴びてろうのような、りんの燃えるような、或時は尼が立っているとも見え、或時は
日没の幻影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
若葉の鬱然こんもりとしたやしろの森には赤、白の小旗が幾つともなく風にひるがえって、海と色が通う空には大旗が風に鳴って、町の家々の軒には角燈籠が懸られ、太鼓の音と笛の音が聞えた。
蝋人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)