“うつさう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鬱蒼72.7%
欝蒼9.1%
欝愴9.1%
欝葱9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かたへに一ぽんえのきゆ、年經としふ大樹たいじゆ鬱蒼うつさう繁茂しげりて、ひるふくろふたすけてからすねぐらさず、夜陰やいんひとしづまりて一陣いちぢんかぜえだはらへば、愁然しうぜんたるこゑありておうおうとうめくがごとし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かうして歩いてゐる事も、気紛きまぐれのやうな気がしたが、何しろ、四囲はまれな巨木の常緑濶葉樹が欝蒼うつさうとして繁つてゐる。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
沿道は巨大なシヒノキや、オブリカスト、ナギや、カッチヤ松の森で、常緑濶葉樹林くわつえふじゆりんが、枝を組み、葉をくちづけあつて、朝の太陽を欝蒼うつさうとふさいでゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
明治廿二年、予の始めて上京するやたま/\銀座の街を歩し書肆しよしに於て一冊を得たり、題して楚囚そしうの詩とふ。予は之れを読んで其言の欝愴うつさうたるを奇としたりき。
北村透谷君 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
高浜の海岸に今一つ樹木欝葱うつさうたるもつと大きい島がある。岩礁の裾に一つ穴が明いて居て赭土色の禿頭の上へ捻つた枝の松をかうがいのやうに挿してる。
坊つちやん「遺蹟めぐり」 (新字旧仮名) / 岡本一平(著)