トップ
>
鬱蒼
>
うつさう
ふりがな文庫
“
鬱蒼
(
うつさう
)” の例文
杉と
檜
(
ひのき
)
と
鬱蒼
(
うつさう
)
として
繁
(
しげ
)
つて、真昼でも
木下闇
(
こしたやみ
)
を作つてゐるらしいところに行き、
柵
(
さく
)
のところで
小用
(
こよう
)
を足した。
仏法僧鳥
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
傍
(
かたへ
)
に一
本
(
ぽん
)
、
榎
(
えのき
)
を
植
(
う
)
ゆ、
年經
(
としふ
)
る
大樹
(
たいじゆ
)
鬱蒼
(
うつさう
)
と
繁茂
(
しげ
)
りて、
晝
(
ひる
)
も
梟
(
ふくろふ
)
の
威
(
ゐ
)
を
扶
(
たす
)
けて
鴉
(
からす
)
に
塒
(
ねぐら
)
を
貸
(
か
)
さず、
夜陰
(
やいん
)
人
(
ひと
)
靜
(
しづ
)
まりて
一陣
(
いちぢん
)
の
風
(
かぜ
)
枝
(
えだ
)
を
拂
(
はら
)
へば、
愁然
(
しうぜん
)
たる
聲
(
こゑ
)
ありておうおうと
唸
(
うめ
)
くが
如
(
ごと
)
し。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
愈
(
いよ/\
)
利根の
水源
(
すゐげん
)
に
沿
(
そ
)
ふて
遡
(
さかのぼ
)
る、
顧
(
かへりみ
)
れば両岸は
懸崖絶壁
(
けんがいぜつぺき
)
、加ふるに
樹木
(
じゆもく
)
鬱蒼
(
うつさう
)
たり、たとひ
辛
(
から
)
ふじて之を
過
(
す
)
ぐるを得るも
漫
(
みだ
)
りに時日を
費
(
ついや
)
すの
恐
(
おそれ
)
あり、故にたとひ
寒冷
(
かんれい
)
足
(
あし
)
を
凍
(
こふ
)
らすとも
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
莊園の
邸
(
やしき
)
の極く眞近かに迫つてさへそれを見ることが出來ない、それ程に深く
鬱蒼
(
うつさう
)
と陰鬱な森が、周りに生ひ茂つてゐるのであつた。
花崗岩
(
みかげいし
)
の門柱の間の鐵の門が入口を示した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
白河の関址と申すところは、一の
広袤
(
くわうぼう
)
ある丘陵を成し、樹木
鬱蒼
(
うつさう
)
として、古来
斧斤
(
ふきん
)
を入れざるものあり、巨大なる山桜のさるをがせを垂れたるもの、花の頃ぞさこそと思はれ申候。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
假令
(
たとひ
)
どんな
物
(
もの
)
が
彼等
(
かれら
)
の
間
(
あひだ
)
を
隔
(
へだ
)
てようとしても
彼等
(
かれら
)
が
相
(
あひ
)
近
(
ちか
)
づく
機會
(
きくわい
)
を
見出
(
みいだ
)
したことは
鬱蒼
(
うつさう
)
として
遮
(
さへぎ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
密樹
(
みつじゆ
)
の
梢
(
こずゑ
)
を
透
(
とほ
)
してどこからか
日
(
ひ
)
が
地上
(
ちじやう
)
に
光
(
ひかり
)
を
投
(
な
)
げて
居
(
ゐ
)
るやうなものであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そなたの
鬱蒼
(
うつさう
)
たる
枝葉
(
えだは
)
が
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
と、すぱ/\と
煙
(
けむり
)
を
吹
(
ふ
)
かす。
近
(
ちか
)
い
煙草
(
たばこ
)
に
遠霞
(
とほがすみ
)
で、
天守
(
てんしゆ
)
を
包
(
つゝ
)
んだ
鬱蒼
(
うつさう
)
たる
樹立
(
こだち
)
の
蔭
(
かげ
)
が
透
(
す
)
いて
来
(
く
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“鬱蒼”の意味
《形容動詞》
暗くなるほど樹木が生い茂ること。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
鬱
常用漢字
中学
部首:⾿
29画
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
“鬱蒼”で始まる語句
鬱蒼蟠居