仏法僧鳥ぶっぽうそう
大正十四年八月四日の朝奈良の宿を立つて紀伊の国高野山に向つた。吉野川を渡り、それから乗合自動車に乗つたころは、これまでの疲れが幾らか休まるやうな気持でもあつた。これまでの疲れといふのは、比叡山上で連日『歌』の修行をし、心身へとへとになつたの …
作品に特徴的な語句
あなど 小童せうどう あく 夜鳥やてう 明瞭めいれう 一山いちざん 夜詣よまゐ 宿とま 小便おしつこ ほり 愛著あいぢやく 現世げんぜ 驟雨しうう 一寸ちよつと 二声ふたこゑ 位牌ゐはい 僧侶そうりよ 先刻さつき 合羽かつぱ 墳塋ふんえい 大門だいもん 太閤たいかふ 女人によにん 弘法こうぼふ 後生ごしやう 悪業あくごふ 提灯ちやうちん 月明げつめい 木兎みみづく こずゑ 武州ぶしう 無明むみやう 玩具おもちや 神仏しんぶつ ひそ 蝋燭らふそく 蝙蝠かうもり 谿間たにあひ きびす 蹲跼しやが 這入はひ 金堂こんだう 高野かうや 鬱蒼うつさう かなへ 一休ひとやすみ 何処どこ しか 其処そこ 吉野よしの とが 唐銅からかね たま 夜籠よごも 奴等やつら 如何いか むし 小用こよう すくな 山巒さんらん かす 往反わうへん 怪訝けげん 愈〻いよいよ 断崖だんがい おい 旅団りよだん うま 暗闇くらやみ 木曾きそ 末法まつぽふ さく 根方ねかた よこた 樹立こだち ひのき うた 此処ここ 気色けしき 沛然はいぜん のり 浅山あさやま しか 生物いきもの ほこら 稽古けいこ 空海くうかい こも つづ
題名が同じ作品
仏法僧鳥 (新字新仮名)斎藤茂吉 (著)