“おううつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蓊鬱89.5%
蓊欝10.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
沖合に出て、左手の蓊鬱おううつと繁茂している中ノ島の大樹と、右手に望まれる緑屋の二階座敷とを見くらべながら、奇妙な感慨に浸っていた。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
曾て「秩父の奥山」なる記事を書いた時、私は今日の秩父山が、渓流の澄澈ちょうてつと、森林の蓊鬱おううつと景趣の幽邃ゆうすいとに於て、其権威の絶頂にあるものであるとうた。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
そこらは、もう高台寺こうだいじの境内に近いところで、蓊欝おううつとした松の木山がすぐ眉に迫り、節のすなおな、真青な竹林が家のうしろに続いていたりした。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
楢沢の平野は良樹りやうじゆ蓊欝おううつとして森林事業にのぞみあり、須原峠字上ヶ原の原野は牧畜ぼくちくよろしく尾瀬の大高原は開墾かいこんするを得べし、此他漸次道路を開通かいつうせば無数の良材木をはこび出す事をべし。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)