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鬱蒼
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こんもり
ふりがな文庫
“
鬱蒼
(
こんもり
)” の例文
柵の中は、左程廣くもない運動場になつて、二階建の校舍が其奧に、愛宕山の
鬱蒼
(
こんもり
)
した木立を背負つた樣にして立つてゐる。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
殿下に手を執られて、
甃
(
いしだたみ
)
を踏んでしっとりと露を帯びた、芝生へ降り立った。
橅
(
ぶな
)
の大木が
鬱蒼
(
こんもり
)
と枝葉を繁らせて、葉陰に二、三脚のベンチが置かれてある。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
鬱蒼
(
こんもり
)
とした
楊
(
やなぎ
)
の緑がかれの上に
靡
(
なび
)
いた。
楊樹
(
やなぎ
)
にさし入った夕日の光が細かな葉を一葉一葉明らかに見せている。
不恰好
(
ぶかっこう
)
な低い屋根が地震でもあるかのように動揺しながら過ぎていく。
一兵卒
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
お
行
(
ぎょう
)
の松にむかった方には
狩野
(
かのう
)
という絵師の家が、
鬱蒼
(
こんもり
)
した中に建っていた。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
二人は
鬱蒼
(
こんもり
)
とした
欅
(
けやき
)
の下を
択
(
えら
)
んだ。そこには人も居なかった。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
鬱蒼
(
こんもり
)
と
楊柳
(
やなぎ
)
かがやくまさびしき遠き入江に日の移るなり
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
棟を掩うて
鬱蒼
(
こんもり
)
と繁った、高い杉の防風林も、玄関の前に瘤々の根を張った、
百日紅
(
さるすべり
)
の老樹も、また昔の庄屋時代から続いている、三棟四棟の崩れかかった土蔵も、奥庭の石灯籠や泉水も
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
“鬱蒼”の意味
《形容動詞》
暗くなるほど樹木が生い茂ること。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
鬱
常用漢字
中学
部首:⾿
29画
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
“鬱蒼”で始まる語句
鬱蒼蟠居