鏡地獄かがみじごく
「この一年半ほどのあひだ……」 せめても彼は、時をそれほどの間に限りたかつた。別段何の思慮もなく、何となく切ツ端詰つた頭から、ふつとそんな言葉が滑り出たのであるが、そして如何程藤井に追求されたにしろ、何の続ける言葉も見当らなかつたのではある …
題名が同じ作品
鏡地獄 (新字新仮名)江戸川乱歩 (著)