坑外おか)” の例文
坑外おかへ出るだけでも、八百尺をケージで昇り、——それは三越の六倍半だ——それから一町の広い横坑を歩かねばならない。
土鼠と落盤 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
市三は、どれだけ、うら/\と太陽が照っている坑外おかで寝ころんだり、はねまわったりしたいと思ったかしれない。
土鼠と落盤 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
坑外おかでは、製煉所の銅のけむが、一分間も絶えることなく、昼夜ぶっつゞけに谷間の空気を有毒瓦斯でかきまぜていた。坑内には、湿気とかびと、石の塵埃が渦を巻いていた。
土鼠と落盤 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)