可訝おか)” の例文
しかし可訝おかしい、いや可訝しくはない、けれども妙だ、——あの時、そうだ、久しぶりに逢って、その逢ったのが、その晩ぎり……またわかれになった。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
両画伯を招待さ……「見苦しゅうはごわすが、料理店は余り露骨……」料理屋の余り露骨は可訝おかしいがね、腰掛同然の店だからさ、そこから、むすび針魚さよりわん
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうも可訝おかしい、絵が上手になりますように、踊が、浄瑠璃じょうるりが、裁縫おしごとが、だとよくきこえるけれども、小説は、ほかに何とか祈念のしようがありそうに思われる。作者だってそう思う。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
扱帯しごきで両膝はゆわえていました。けれども、首をくくるのに、目隠をするのは可訝おかしい。気だけも顔を隠そうとしたのかと思う。いや、そうでないのです。それに、実は死のうとしたのではない。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すっと陽炎かげろうまつわる形に、その水の増す内が、何とも言えないい心地で、自分の背中か、その小児の脚か、それに連れて雲を踏むらしく糶上せりあがると、土手の上で、——ここが可訝おかしい——足の白い
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いきなり開けた処に、変な、可訝おかしな、絵があったのです。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
可訝おかしいぜ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
可訝おかしいね。」
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)