陸地おか)” の例文
新式タービンのパリパリが、ビスケー湾の檜舞台ひのきぶたいでヘタバッたり、アラスカ沖の難航で、陸地おかが鼻の先に見えながら、石炭が足りなくなったりする。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と山三郎はひらりっと陸地おかあがったが、此の土地は何国どこかは知らずし人家もなくば、少し浪がしずかになったから帰ろうという時に船がなければならんから、命の綱は此の船だ、大切だいじと心付いたから
総督府の官舎を建てに台湾へ渡る時にも、乗っている船が陸地おかの見えない海の上を平気でドンドン走って行きますので、何だか妙な気持になっちゃいましてね。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
山「なに師匠もう陸地おかへ揚っていらアな」
それが船橋ブリッジ欄干クロスに両ひじたせて、青い青い秋空の下に横たわる陸地おかの方を凝視みつめているのだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)