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犯
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おか
ふりがな文庫
“
犯
(
おか
)” の例文
私
(
わたし
)
は、
覚
(
おぼ
)
えのあろうはずがないけれど、なにか
罪
(
つみ
)
を
犯
(
おか
)
したので、それで
神
(
かみ
)
さまは、この
世
(
よ
)
へこんなに
醜
(
みにく
)
く
生
(
う
)
まれさせられたのです。
木と鳥になった姉妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
無知な者は、罪を
犯
(
おか
)
す時まではそんなに大それたことと思わないでいて、犯した時に至って初めて、その罪の大きかったのに
仰天
(
ぎょうてん
)
する。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
位地の高いものはもっともこの罪を
犯
(
おか
)
しやすい。彼らは彼らの社会的地位からして、他に働きかける
便宜
(
べんぎ
)
の多い場所に立っている。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もし
此辺
(
このへん
)
にてこの禁を
犯
(
おか
)
せば、必ず波風大きに起りて
危
(
あやう
)
きことあり。三味線は
猫
(
ねこ
)
の皮にて張りたるものなれば、鼠の
忌
(
い
)
む故なりとぞ云々
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
下等船客
(
かとうせんきやく
)
の
一
(
いち
)
支那人
(
シナじん
)
はまだ
伊太利
(
イタリー
)
の
領海
(
りやうかい
)
を
離
(
はなれ
)
ぬ、
頃
(
ころ
)
より
苦
(
くる
)
しき
病
(
やまひ
)
に
犯
(
おか
)
されて
遂
(
つひ
)
にカンデイア
島
(
じま
)
とセリゴ
島
(
じま
)
との
間
(
あひだ
)
で
死亡
(
しぼう
)
した
爲
(
ため
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
この諸能力が
各
(
おのおの
)
その固有の働をたくましゅうして、たがいに領分を
犯
(
おか
)
さず、また他に犯されずして、よく平均を保つもの、これを完全の人心という。
文明教育論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
だが、その愛には何か
犯
(
おか
)
しがたいものがあって、うっかり飛びついて行けないような気がする。牛肉一件以来彼はそうした気持になっているのである。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
聞いておると、賊の五人組のうち、女ふたりは、越前守様がお若い頃に
犯
(
おか
)
した過ちの——悪縁をもつ
母子
(
おやこ
)
ではないか
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
而
(
しか
)
して
別
(
べつ
)
に
或
(
ある
)
誤謬
(
ごびゆう
)
の
存
(
そん
)
するあるにもあらずしてこの
殺人
(
さつじん
)
の
罪
(
つみ
)
を
犯
(
おか
)
す、世に普通なるにあらずして、しかも普通なる理由によつてなり、これを
寫
(
うつ
)
す
極
(
きは
)
めて
難
(
かた
)
し
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ゼルビノは
罪
(
つみ
)
を
犯
(
おか
)
したが、またかれの
過失
(
かしつ
)
のためにわたしたちはこんなひどい目に会わされることになったのであるが、かれをふり
捨
(
す
)
てることはできなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
お
峯
(
みね
)
は
此出來事
(
このできごと
)
も
何
(
なん
)
として
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
るべき、
犯
(
おか
)
したる
罪
(
つみ
)
の
恐
(
おそ
)
ろしさに、
我
(
わ
)
れか、
人
(
ひと
)
か、
先刻
(
さつき
)
の
仕業
(
しわざ
)
はと
今更
(
いまさら
)
夢路
(
ゆめぢ
)
を
辿
(
たど
)
りて、おもへば
此事
(
このこと
)
あらはれずして
濟
(
す
)
むべきや
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのもしやが、本当だと云うことが分ると、妾は、大変なことが起ったと思ったのです。妾の
犯
(
おか
)
した失策が、取り返しのつかないものだと云うことを知ったのです。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
かれは日記に「荻生君はわが
情
(
じょう
)
の友なり、利害、道義もってこの間を
犯
(
おか
)
し破るべからず」と書いた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
その上、この信條で、私は、それははつきりと罪人と、その
犯
(
おか
)
した罪とを區別することが出來るの。だから私は罪を憎んでゐても、罪を犯した人は眞心から
赦
(
ゆる
)
せるのよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
わが
犯
(
おか
)
せる罪のため、ついに私の上に
天罰
(
てんばつ
)
が下った。今や私はこの檻の中で
餓死
(
がし
)
するばかりだ。
時計屋敷の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかるに我国
甞
(
かつて
)
火浣布
(
くわくわんふ
)
を
作
(
つく
)
るの
石
(
いし
)
を
産
(
さん
)
す、その
在
(
あ
)
る所は、○
金城
(
きんじやう
)
山○
巻機
(
まきはた
)
山○
苗場
(
なへば
)
山○
八海山
(
はつかいさん
)
その外にもあり。その石
軟弱
(
やはらかに
)
して
爪
(
つめ
)
をもつても
犯
(
おか
)
すべきほどの
軟
(
やはら
)
なる石なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
言いすてて、ふたりは、不敵にもまだ日が高いというのに危険を
犯
(
おか
)
し乍ら市中へ出ていった。
流行暗殺節
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
塩焼王も殺され、押勝の妻子も斬られ、その姫は絶世の美貌をうたわれた少女であったが、千人の兵士に
犯
(
おか
)
され、千一人目の兵士の土足の陰に、むくろとなって、冷えていた。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
それを思い合わせると、初代に対する求婚に失敗した彼が、私から彼女を奪う為に、綿密に計画された、発見の恐れのない殺人罪を
敢
(
あえ
)
て
犯
(
おか
)
さなかったと、断言出来るであろうか。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この解釈を承認する上は、さらにある驚くべき大罪を
犯
(
おか
)
さねばならぬということを。
時代閉塞の現状:(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
友人をあざむく……道徳上の大罪を承知で
犯
(
おか
)
すように余儀なくされた。友人の好意で一面の苦しみはやや軽くなったけれど精神上に受けた深い
疵傷
(
きず
)
は長く自分を苦しめることになった。
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
佛蘭西人
(
フランスじん
)
が
未
(
ま
)
だアルゼリヤを
犯
(
おか
)
さない
數年前
(
すねんぜん
)
に此ブリダアの
市
(
まち
)
にラクダルといふ
人
(
ひと
)
が
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
たが、これは又た
大
(
たい
)
した
豪物
(
えらぶつ
)
で、ブリダアの人々から『
怠惰屋
(
なまけや
)
』といふ
綽名
(
あだな
)
を
取
(
と
)
つて
居
(
ゐ
)
た
漢
(
をとこ
)
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
以て大前提とし次にビジテリアンがこれに
背
(
そむ
)
くことを述べて小前提とし最後にビジテリアンが故に神に
背
(
そむ
)
くことを断定し菜食なる小善の故に神に背くの大罪を
犯
(
おか
)
すことを暗示
致
(
いた
)
されました。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
自分
(
じぶん
)
の
現世
(
げんせ
)
で
犯
(
おか
)
した
罪悪
(
つみ
)
がだんだん
怖
(
こは
)
くなってどうにも
仕方
(
しかた
)
なくなりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
どこか
犯
(
おか
)
し
難
(
がた
)
いところのある
顔
(
かお
)
かたちは、
敵
(
かたき
)
持
(
も
)
つ
武家
(
ぶけ
)
が、
世
(
よ
)
を
忍
(
しの
)
んでの
飴売
(
あめうり
)
だとさえ
噂
(
うわさ
)
されて、いやが
上
(
うえ
)
にも
人気
(
にんき
)
が
高
(
たか
)
く、
役者
(
やくしゃ
)
ならば
菊之丞
(
きくのじょう
)
、
茶屋女
(
ちゃやおんな
)
なら
笠森
(
かさもり
)
おせん、
飴屋
(
あめや
)
は
土平
(
どへい
)
、
絵師
(
えし
)
は
春信
(
はるのぶ
)
と
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
何
(
なん
)
だか
罪悪
(
ざいあく
)
でも
犯
(
おか
)
すやうな
気
(
き
)
がしたので。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
何となく
犯
(
おか
)
し
難
(
がた
)
き品位があつた。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
人から
一毫
(
いちごう
)
も
犯
(
おか
)
されまいと、強い点をあくまで固守すると同時に、せめて
半毛
(
はんもう
)
でも人を
侵
(
おか
)
してやろうと、弱いところは無理にも
拡
(
ひろ
)
げたくなる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
子供
(
こども
)
には
罪
(
つみ
)
がありません。みんな
大人
(
おとな
)
の
犯
(
おか
)
した
悪
(
あく
)
の
酬
(
むく
)
いです。どうか、
世間
(
せけん
)
にそのことがわかってもらいたいのです。
子供は悲しみを知らず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ところがね、その人のいいところに、何ともいえぬつよみがあるのですよ、いわば
犯
(
おか
)
し難いところがあるんです。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
君らさえもう少し良心的であってくれたら、板木を打った人も、ああしたあやまちを
犯
(
おか
)
さないですんだのだろうと思うと、それが私はくやしくてならない。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
は
即
(
すなは
)
ち
作者
(
さくしや
)
が
精神
(
せいしん
)
を
籠
(
こ
)
めて
脚色
(
きやくしよく
)
したるもの、
而
(
しか
)
して
其
(
その
)
殺人罪
(
さつじんざい
)
を
犯
(
おか
)
すに
至
(
いた
)
りたるも、
實
(
じつ
)
に
是
(
こ
)
れ、この
錯亂
(
さくらん
)
、この
調子
(
てふし
)
はづれ、この
撞着
(
どうちやく
)
より
起
(
おこ
)
りしにあらずんばあらず。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
しかるに我国
甞
(
かつて
)
火浣布
(
くわくわんふ
)
を
作
(
つく
)
るの
石
(
いし
)
を
産
(
さん
)
す、その
在
(
あ
)
る所は、○
金城
(
きんじやう
)
山○
巻機
(
まきはた
)
山○
苗場
(
なへば
)
山○
八海山
(
はつかいさん
)
その外にもあり。その石
軟弱
(
やはらかに
)
して
爪
(
つめ
)
をもつても
犯
(
おか
)
すべきほどの
軟
(
やはら
)
なる石なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
わたしが
仲間
(
なかま
)
の間に
規律
(
きりつ
)
を
保
(
たも
)
とうとすれば、
罪
(
つみ
)
を
犯
(
おか
)
したものは
罰
(
ばっ
)
せられなければならない。それをしなかったら、つぎの村へ行って、今度はドルスが同じ事をするであろう。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
まして海上の不知不案内を
犯
(
おか
)
して、危険と闘うような必要などは有り得ないはずであった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「なぜ手を洗ったんだ。一体何をしていたんだ。法医学教室の神聖を
犯
(
おか
)
すと承知しないよ」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
血に交わりて赤くならずこの通り幼少の時から酒が
数寄
(
すき
)
で酒の
為
(
た
)
めには
有
(
あ
)
らん限りの悪い事をして随分不養生も
犯
(
おか
)
しましたが、又一方から見ると私の性質として品行は正しい。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
と、すぐ全軍を青州から引き揚げにかからせたが、その途すがらも、
秋毫
(
しゅうごう
)
犯
(
おか
)
すことない徳風を慕って、
郷村
(
きょうそん
)
の老幼男女は、みな道にならび、香を
焚
(
た
)
き、花を投げて、歓呼した。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
犯
(
おか
)
せる罪はいとも深し
饑餓陣営:一幕
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
したがって山水によって画を愛するの
弊
(
へい
)
はあったろうが、名前によって画を論ずるの
譏
(
そし
)
りも
犯
(
おか
)
さずにすんだ。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さあ、この席のことはこの席限り、昔
犯
(
おか
)
した罪でも、神妙に
懺悔
(
ざんげ
)
をすれば仏様が許して下さる。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
こんなことを言っている私自身が、今朝は、君らに対して重大な過失を
犯
(
おか
)
してしまったようだ。私は、さっき君らを非難して、平気で自分の良心を眠らせている人間だと言った。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
高氏はそんな彼女を、つい、自分たちの社会へ引き込む
科
(
とが
)
を
犯
(
おか
)
していた。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余が
前號
(
ぜんごう
)
の
批評
(
ひゝよう
)
にも
云
(
い
)
ひし
如
(
ごと
)
く罪と罰とは
最暗黒
(
さいあんこく
)
の
露國
(
ロコク
)
を
寫
(
うつ
)
したるものにてあるからに
馬琴
(
バキン
)
の
想像的侠勇談
(
そうぞうてきけふゆうだん
)
にある
如
(
ごと
)
く
或
(
ある
)
復讎
(
ふくしゆう
)
或
(
あるは
)
忠孝等
(
ちゆうこうとう
)
の
故
(
ゆえ
)
を
以
(
も
)
て
殺人罪
(
さつじんざい
)
を
犯
(
おか
)
さしめたるものにあらざること
分明
(
ぶんめい
)
なり。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
帝室にして
能
(
よ
)
くその地位を守り
幾艱難
(
いくかんなん
)
のその間にも
至尊
(
しそん
)
犯
(
おか
)
すべからざるの一義を
貫
(
つらぬ
)
き、たとえば
彼
(
か
)
の有名なる
中山大納言
(
なかやまだいなごん
)
が
東下
(
とうか
)
したるとき、将軍家を
目
(
もく
)
して
吾妻
(
あずま
)
の代官と放言したりというがごとき
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
犯
(
おか
)
せる罪あって、お仕置に逢って、
刎
(
は
)
ねられた首が六尺高いところに上げられている運命。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
日がだんだん
傾
(
かたぶ
)
いて陰の方は蒼い山の
上皮
(
うわかわ
)
と、蒼い空の
下層
(
したがわ
)
とが、双方で本分を忘れて、好い加減に
他
(
ひと
)
の領分を
犯
(
おか
)
し合ってるんで、眺める自分の眼にも、山と空の
区劃
(
くかく
)
が判然しないものだから
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(法の尊厳は、
寸毫
(
すんごう
)
犯
(
おか
)
すべからず。法を
歪曲
(
わいきょく
)
して、国政なし)
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山の通人は、自分の博識の権限を
犯
(
おか
)
されでもしたように、ムッとして
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「吉宗が、いつ、法を
犯
(
おか
)
したと申すのじゃ」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
犯
常用漢字
小5
部首:⽝
5画
“犯”を含む語句
犯人
女犯
犯罪
犯罪学
行者宿報設女犯
殺人犯
共犯
侵犯
九十八犯
共犯者
不犯
犯跡
犯行
犯罪人
放火犯
干犯
強力犯係
犯罪者
犯禁
犯罪状況
...