“不犯”の読み方と例文
読み方割合
ふぼん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
走り湯の法音比丘尼ほうおんびくに不犯ふぼん聖尼せいにであるといわれていた。男禁制の森に住んで、そこには近くの伊豆山権現の法師等さえ立ち入れなかった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先住の高風に比べれば百難あつたが、彼もまた一生不犯ふぼんの戒律を守り、専ら一酔また一睡に一日の悦びを托してゐた無難な坊主のひとりであつた。
閑山 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
茫々として万事、皆夢の如し。わが曾て岳父御しうとごに誓ひし一生不犯ふぼんの男の貞操は、かくして、あとかたも無く破れ了んぬ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)