“ふぼん”の漢字の書き方と例文
語句割合
不犯100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何の事だ? ちッとも分らん。完全を求めて得られんなら、悶死すべきでないか? 不犯ふぼんが理想で、女房を貰って、子を生ませていたら、普通の堕落に輪を掛た堕落だ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
しかし彼らの愛欲がそれで充足させられたろうとは考え難い。あるものはついに不犯ふぼんの誓いを破ったであろう。あるものは数年の後に還俗げんぞくしたであろう。それは自然のなりゆきである。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「しかし、僧正の時雨しぐれのお歌は、あまりにも、実感がありすぎるというて、女を知らぬ不犯ふぼんの僧に、かような和歌うたの作れるわけはないというのです」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)