あや)” の例文
この時に大和のあやあたえの祖先のアチのあたえが、天皇をひそかに盜み出して、お馬にお乘せ申し上げて大和にお連れ申し上げました。
れいのやまとあやあたいのやからとは平ぜい往来の頻繁なこの宮の舎人をつとめてゐるだけに尚さら、小黒の胸にはひしひしと感じられるのだつた。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
あやという姓が示しているとおり、これの祖先は漢土の帰化人で、その主長の一人には、飛鳥朝の大立て者、蘇我入鹿そがのいるかと結託し、わが国の朝野に大勢力をふるった、有名な漢直あやあたいがある。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
またはたみやつこの祖、あやあたへの祖、またみきむことを知れる人、名は仁番にほ、またの名は須須許理すすこり等、まゐ渡り來つ。かれこの須須許理、大御酒をみて獻りき。
またあのあやあたいどもがうるさく言ふからなあ。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
またあやの王が妹、大俣の王に娶ひて、生みませる御子、智奴ちぬの王、次に妹桑田の王二柱。また庶妹ゆみはりの王に娶ひて、生みませる御子、山代やましろの王、次に笠縫の王二柱。并はせて七王ななはしら
ここにやまとあやあたへの祖、阿知あちの直、盜み出でて、御馬に乘せまつりて、やまとにいでまさしめき。かれ多遲比野たぢひのに到りて、寤めまして詔りたまはく、「此處ここ何處いづくぞ」と詔りたまひき。
また工人の鍛冶屋かじや卓素たくそという者、またはたを織る西素さいその二人をも貢りました。はたみやつこあやあたえの祖先、それから酒を造ることをつているニホ、またのをススコリという者等も渡つて參りました。
大和のあや氏、多治比部などの傳承の物語。——