“無頼漢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ならずもの45.3%
ぶらいかん29.3%
ごろつき10.7%
あぶれもの2.7%
ゴロツキ2.7%
ならず1.3%
あそびにん1.3%
ごろんぼう1.3%
なまけもの1.3%
やくざ1.3%
やくざもの1.3%
アパッシュ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
転がつた無頼漢ならずものは、埃のなかで蛙のやうに手足をばたばたさせながらわめいた。附近あたりには同じやうな無気味のてあひがぞろぞろたかつて来た。
老人にも若者にも、富豪ふごうにも乞食こじきにも、学者にも無頼漢ぶらいかんにも、いや、女にさえも、まったくその人になりきってしまうことができるといいます。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
こいつは誠に手のつけられない奴で、酒から身を持ち崩して今は無頼漢ごろつき同様になって居ります。誠に重々恥しい事ばかりです。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
こいつらは浪人無頼漢あぶれもの、ほんとうに斬るでござりましょう。一人に多勢かないはしませぬ。あなたのお体は妾には大切、ナーニ妾の体など、百千人になぶられたおり
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
無頼漢ゴロツキなどゝいへば、社会の瘤のやうなものとしか考へて居られぬ。だが、嘗て、日本では此無頼漢が、社会の大なる要素をなした時代がある。
ごろつきの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ただし無頼漢ならず、外伝、新助、勘助なんど、勿体なくも将軍様うえさまを手籠めに、担って駈けて行きました際にも、殿のことゆえ彼らに命じ、将軍様を助け参らせて、柳営ごてんへお帰しいたすものと信じ
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
流行はやりといえば、能のみでなく、武士も町人も流行事はやりごとに追われている。個人に充実がなく、人々に大きな空虚うつろがあるのだった。歌舞伎風俗だの、無頼漢あそびにん伊達だてが、至上のものに見えた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それが虫のいい無頼漢ごろんぼう科白せりふというものさ。いいかい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のみならず敵の兵糧倉からは兵糧を奪い取ってくるし、附近の小賊や、無頼漢なまけものなどを呼び集めてきたので、孫策の軍は、たちまち四千以上の兵力になった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕等は卑怯でみすぼらしく 生き甲斐もない無頼漢やくざであるが
蝶を夢む (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
誰にも似ない無頼漢やくざもの、十五の時から家を抜け出し今年で二十年三十五歳、国へも家へも寄り付かず気儘にくらして居りましたところ、今から数えて十八年前、人の噂で聞いたところ
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
悠々とそして閑々と、法規と礼譲と道徳とあらゆる小善とを勇敢に無視して、そのうえを往く「空の無頼漢アパッシュ」だ。何という近代的に無責任なCHIC!
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)