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絢
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あや
ふりがな文庫
“
絢
(
あや
)” の例文
修吉はただ快い
絢
(
あや
)
にのまれて、うつとりと余念を去らずにゐられない。讃嘆の溜息を洩らしかねない思ひになつてしまふのである。
木々の精、谷の精
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
眼も
絢
(
あや
)
な芝生の向うには、
滴
(
したた
)
らんばかりの緑の林が
蓊鬱
(
こんもり
)
と縁どって、まるで西洋の絵でも
眺
(
なが
)
めているような景色でした。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
東北のは人間生活の歴史の
絢
(
あや
)
がなくて、自然のままの優しい荒っぽさの情感です。
獄中への手紙:11 一九四四年(昭和十九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
全體が刷毛の
一刷
(
ひとはき
)
の樣に殆ど鰭と尾ばかりに見える褐色の小怪魚、鰺に似たもの、鰯に似たもの、更に水底を匍ふ鼠色の太い海蛇に至る迄、其等目も
絢
(
あや
)
な熱帶の色彩をした生物どもが
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
もうほとんどなおってからのことである、「
絢
(
あや
)
」という覚えのない名の手紙が届き、すぐにひらいてみたが、奈尾はたちまち蒼くなった。一年まえのあの筆跡であった、それはこう書いてあった。
合歓木の蔭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
相談も
纏
(
まと
)
まったのか、その頃に我々の前には金銀や宝石を
鏤
(
ちりば
)
めて眼も
絢
(
あや
)
に飾った
燦爛
(
さんらん
)
たる
轎
(
かご
)
が現れてきたのであった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
言ひやうもなく
絢
(
あや
)
のある、妖しいまでになまめかしい考へごとが宙ブラリンに浮いてゐて、フォッと眼玉へとびこんでくると脳味噌の中へおさまつた。
金談にからまる詩的要素の神秘性に就て
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
全体が
刷毛
(
はけ
)
の
一刷
(
ひとはき
)
のようにほとんど
鰭
(
ひれ
)
と尾ばかりに見える褐色の小怪魚、
鰺
(
あじ
)
に似たもの、
鰯
(
いわし
)
に似たもの、更に水底を
匍
(
は
)
う
鼠
(
ねずみ
)
色の太い海蛇に至るまで、それら目も
絢
(
あや
)
な熱帯の色彩をした生物どもが
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
明け放した廊下からは、例の眼も
絢
(
あや
)
な芝生が、一望遮るものもなく
遥
(
はる
)
かの
麓
(
ふもと
)
まで、なだらかに開けています。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
肉慾の上にも、精神と交錯した虚妄の影に
絢
(
あや
)
どられていなければ、私はそれを憎まずにいられない。私は最も好色であるから、単純に肉慾的では有り得ないのだ。
私は海をだきしめていたい
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
眼も
絢
(
あや
)
な一面の大傾斜の向うに、しかも青々とした芝生に掩われたそのうねりの上に、美しい円柱を繞らした白大理石の豪華な殿堂なのでしたが、そこに至る道は
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
人間の肉体には精神が宿り、本能が宿り、この肉体と精神が織りだす独得の
絢
(
あや
)
は、一般的な解説によつて理解し得るものではなく、常に各人各様の発見が行はれる永遠に独自なる世界である。
デカダン文学論
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
しかも眼を挙げて一歩窓外を眺むれば、そこには真昼の陽光が
燦々
(
さんさん
)
と降り
濺
(
そそ
)
いで彼方の昼なお暗き鬱蒼たる糸杉や、
橄欖
(
かんらん
)
の森を背景に、一面の繚乱眼も
眩
(
くら
)
まんばかり
絢
(
あや
)
な花園であった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
さういふ風に一度は考へたに相違ないのは事実であつたが、それはたゞ考へたといふだけのことで、私の情慾を豊かにするための
絢
(
あや
)
であり、私の期待と亢奮はまつたく好色がすべてゞあつた。
いづこへ
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
人間の肉体には精神が宿り、本能が宿り、この肉体と精神が織りだす独得の
絢
(
あや
)
は、一般的な解説によって理解し得るものではなく、常に各人各様の発見が行われる永遠に独自なる世界である。
デカダン文学論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
そういう風に一度は考えたに相違ないのは事実であったが、それはただ考えたというだけのことで、私の情慾を豊かにするための
絢
(
あや
)
であり、私の期待と亢奮はまったく好色がすべてであった。
いずこへ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
絢
漢検準1級
部首:⽷
12画
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