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殺
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あや
ふりがな文庫
“
殺
(
あや
)” の例文
「父を討ったのは来馬らしく、その上、人を
殺
(
あや
)
めて立退いたが、いろ/\相談もありすぐ来てくれ。又来馬立廻った節には召捕えて」
新訂雲母阪
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
しかしこれは人を
殺
(
あや
)
めるものではなく、仏さまの
守護神
(
まもりがみ
)
であることを爺は知つてゐますので、ちつとも
恐
(
こは
)
いとは思ひませんでした。
天童
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
例によって、この酒盛は乱闘に終り、ソリウイチェゴーズスクの連中はウスチスイソーリスクの連中をさんざんに
殺
(
あや
)
めてしまった。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「ほウ、では拙者を
殺
(
あや
)
めようとして、常々この身を尾けまわしていたと言うのか。……うム読めた、貴様は、日本左衛門の手下の者だな」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこで過って伯父の
小鍛冶
(
こかじ
)
宗遠
(
むねとお
)
を
殺
(
あや
)
め、仇敵と狙われることになったのをいいことに、敵討興行の看板を揚げて勝負をしようとしたところが
仇討たれ戯作
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
同じ日の同じ刻に江戸と長崎で姉娘と妹娘が
唐人
(
あちゃ
)
めらの手にかかって
殺
(
あや
)
められるなンて、そぎゃんことが、この世にあり得ることでッしょうか
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
けれどもそれを感じた瞬間、童貞女のみが知る気高い神霊的な歓喜を、養父を
殺
(
あや
)
める苦悩の中でしみじみ味わされました——と云うのですよ。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「そちがあんまり美しい故に、わがご主君には毎夜のように藪原あたりまでお通いなさる。殿の
夜遊
(
やゆう
)
を
停
(
と
)
どめたさにそちが命を
殺
(
あや
)
めるのじゃ」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
実は一人の女を
殺
(
あや
)
めて駈落したれど露顕して
追手
(
おって
)
がかゝり、片足
斯
(
か
)
くのごとく怪我をした故逃げ
遂
(
おお
)
せず、
遂々
(
とう/\
)
お縄にかゝって、永い間牢に居て
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「長吉、
手前
(
てめえ
)
だろう、お春坊を
殺
(
あや
)
めたのは。お慈悲を願ってやるから、お役人が見える前に、みんな申上げてしまいな」
銭形平次捕物控:017 赤い紐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、兄が女と逢っている、のっ引きならぬ現場を抑えたならば、兄が母を
殺
(
あや
)
めたということも、明白になりましょう。
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
轟博士は、あの兇器で、誰かを
殺
(
あや
)
めたのではなかろうか? 絶海の孤島上の殺人の動機は? それとも、それは僕のあまりに過ぎたる思い過ぎであろうか。
地球を狙う者
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
本人にいわせると、悪酔いしてもどしたからだと、いっていますがいくら僧侶でも一人、
然
(
し
)
かも知人を
殺
(
あや
)
めたのでは、常態ではいられなかったと思います。
雪
(新字新仮名)
/
楠田匡介
(著)
と兵馬はいいかけて、また
打悄
(
うちしお
)
れてしまいます。実際、今の兵馬の場合は金の問題で、怨みもない人を
殺
(
あや
)
めようと決心を起したのも、せんじつめればそれです。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その男はアルカージイ・イリイーチを
殺
(
あや
)
めた報いで四十三の鞭を受けましたが、とうとう堪えとおして——生きていたので、焼印をおされて懲役にやられましたよ。
かもじの美術家:――墓のうえの物語――
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
「それならばそうと、はっきり申せい。手数のかかるやつらじゃ。
殺
(
あや
)
められたのはいつごろか!」
右門捕物帖:30 闇男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
悪場所で酔狂の口論、それが原因で朋輩を
殺
(
あや
)
めるなどは重々の不埒とあって、屋敷でもすぐに神崎のゆくえを探索させたが、五日十日を過ぎても何の手がかりもなかった。
半七捕物帳:04 湯屋の二階
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
只もう可愛い
情夫
(
おとこ
)
、それは彼女の肉と
精神
(
こころ
)
のすべてを捧げた恋人であったのだ。彼は、逆上した瞬間に人を
殺
(
あや
)
めた。しかしその恐ろしい
負目
(
おいめ
)
は、もう払ってしまったではないか。
碧眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
彼らは、
他
(
ひと
)
を
殺
(
あや
)
めるために来たのではないから、おとなしくしていてくれさえすれば、家のものに危害は加えない、その代り軍用金を
借
(
か
)
せと云って、父に迫った。父はないと断った。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なづけて
籠釣瓶
(
かごつるべ
)
の鞘を払ひ、八つ橋、栄之丞をはじめ、数多の人を
殺
(
あや
)
めます。
吉原百人斬り
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
いわんや数頭を
殺
(
あや
)
め、わずかに一頭の
餓
(
うえ
)
を
救
(
すくう
)
べきものにおいてをや。その餓るやその勢必ずあい
喰
(
くらう
)
に至らん。あに上世の虎は
目今
(
もっこん
)
の猫のごとく、太古の熊は今日の犬のごとしというべけんや。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
嫁女の事より人を
殺
(
あや
)
め、長崎に到りて狼藉の限りをつくされしが、過ぐる晩春の頃ほひ、丸山初花楼の太夫、初花の刑場を荒らし、天地の
間
(
かん
)
、身を置くに所無く、
今日
(
こんにち
)
此処
(
このところ
)
に迷ひ来られし人と
覚
(
おぼ
)
し。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
伊勢の国鈴鹿の山や近江の高島に本拠を構えて、あまたの国々におしわたり、また都にも押し寄せて、人を
殺
(
あや
)
め、美女をさらい、家を焼き、財宝をうばった。即ち今に悪名高い
袴垂
(
はかまだ
)
れの保輔であった。
紫大納言
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
ある時はヴィヨンの如く
殺
(
あや
)
め盜み寂しく立ちて風に吹かれなむ
和歌でない歌
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
安らかに笑みて受くべし
殺
(
あや
)
めたる罰受くる日の
何日
(
いつ
)
に来るとも
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
殺
(
あや
)
めしが如くまだ
生々
(
なま/\
)
しき
膏
(
あぶら
)
の
浮
(
うい
)
て見ゆれば
偵
(
さすが
)
に吉兵衞は
愕然
(
ぎよつ
)
として扨ても山賊の住家なり
斯
(
かゝ
)
る所へ泊りしこそ
不覺
(
ふかく
)
なれと
後悔
(
こうくわい
)
すれど今は
網裡
(
まうり
)
の魚
函中
(
かんちう
)
の
獸
(
けもの
)
また
詮方
(
せんかた
)
ぞ
無
(
なか
)
りければ如何はせんと再び
枕
(
まくら
)
に
就
(
つき
)
ながらも次の間の
動靜
(
やうす
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
生み、
殺
(
あや
)
め、疼き、
呻
(
によ
)
ぶ
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「だが、そもじの罪障は消えたとて、二人を
殺
(
あや
)
めた下郎の
業
(
ごう
)
は
永劫
(
えいごう
)
じゃ、私は、今日これから、そなたの前で、そやつを
訊
(
ただ
)
し上げてみせますぞ」
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
慾
(
よく
)
につりこまれて、
草芝
(
くさしば
)
の上へあらたまり、おとといの
真夜中
(
まよなか
)
、
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
が
手策
(
てだて
)
をつくして
従僧
(
じゅうそう
)
ふたりを
殺
(
あや
)
め、ひとりの
主僧
(
しゅそう
)
をいけどってきて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……江戸と長崎で二人が
殺
(
あや
)
められた以上、どッち道、利七も助かる筈はないと、
疾
(
と
)
ッくに覚悟を決めておりました。……これが利七でございますか。
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それが鶴見の夜泊りで
獄口
(
ごくぐち
)
を蹴って
軍鶏籠抜
(
とうまるぬ
)
けという早業を見せ、宿役人の三人も
殺
(
あや
)
めた後、どうやらまたぞろお膝下へ舞い戻ったらしいとの噂とりどり。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ぐずぐずしているうちに、相手が見切りを付けて、六人の花嫁を
纏
(
まと
)
めて
殺
(
あや
)
めるとか——そんな事はないまでも——、遠国にでも持出されたら手の付けようがねえ。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
野武士時代にはあばれもしたろうが、恩顧を蒙った目上の者を、殺したことはないのだからな。そうして俺に至っては、人を
殺
(
あや
)
めたことはない。で多少は許されるだろう。
首頂戴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「だ、だんなさまそれでは、ご、ご隠居さまをわたくしどもが、お
殺
(
あや
)
めもうしますので?」
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
その
強奪
(
ごうだつ
)
の仕方があまりに大胆で
大袈裟
(
おおげさ
)
で、しかも
遮
(
さえぎ
)
る人があっても人命を
殺
(
あや
)
めるようなことはなく、衣類や小道具などには眼もくれず、
纏
(
まと
)
まった金だけを
引浚
(
ひっさら
)
って悠々として出て行く。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
此の鎌は女房のお累が自害をし、
私
(
わっち
)
が人を
殺
(
あや
)
めた草苅鎌だが、廻り廻って
私
(
わっち
)
の手へ来たのは此の鎌で死ねという
神仏
(
かみほとけ
)
の
懲
(
こらし
)
めでございまするから、其のいましめを背かないで自害致しまする
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
或
(
あるい
)
は女人を
殺
(
あや
)
めむと致し、又は女人の
新墓
(
にいはか
)
に
鋤鍬
(
すきくわ
)
を当つるなぞ、安からぬ事のみ致し、人々
之
(
これ
)
を止むる時は、その人をも撃ち殺し、傷つけ候のみならず、吾身も或は舌を噛み、又は
縊
(
くび
)
れて死するなぞ
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
母よりと
手紙
(
ふみ
)
のをはりに記されて
殺
(
あや
)
めし罪の重きを
悟
(
し
)
りぬ
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
生み、
殺
(
あや
)
め、疼き、
呻
(
によ
)
ぶ
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そこには、いろいろな
理
(
わけ
)
があるが、主なる理由は、天鬼様を
殺
(
あや
)
めた下手人がないことだ。これにはわしも弱ってしもうた
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぐずぐずしているうちに、相手が見切りを付けて、六人の花嫁を
纏
(
まと
)
めて
殺
(
あや
)
めるとか——そんな事はないまでも——、遠国にでも持出されたら手の付けようがねえ。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「死に花とか申したな、
皮膚
(
はだ
)
に根をおろして人を
殺
(
あや
)
める花、あの件はどうなった? やはり刺客の業か」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ところが、そうして小六を
殺
(
あや
)
めた人物は、あの時奈落の中で、それは素晴らしい
離業
(
ケレン
)
を行なったのだ。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
それにしても、お種だけならいざ知らず、
科
(
とが
)
もゆかりもないお鳥まで
殺
(
あや
)
めてしまうとは、何たる非道か奴でござりまッしょうか。鬼というてもこうまで
残忍
(
むご
)
かことはいたしますまい
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
間違って人一匹
殺
(
あや
)
めたことぐらいは物の数ではないのだ、と兵馬は強いて自分の心を落着けようとしたけれど、世の中にこのくらいばかばかしい人殺しはないものと思われてなりません。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
貴方
(
あんた
)
の兄さんには、女ができている……そしてお母さんを、
殺
(
あや
)
めている……。
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
……隠すにもあたらぬ
宣
(
なの
)
ってやろう、
浪速
(
なにわ
)
の浪人
飛田林覚兵衛
(
とんだばやしかくべえ
)
! ……さてその時拙者は申した、貴殿の命を
殺
(
あや
)
めても、淀屋の独楽を拙者が取ると! ……その期が今こそめぐって来たのじゃ!
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この手もて人を
殺
(
あや
)
めし死囚われ同じ両手に今は花活く
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
「因縁といえば、建武の年、直義さまが大塔ノ宮を
殺
(
あや
)
めさせたのも、所はこの鎌倉だった。ここでお果てなされるとは」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それこそ、木沓を脱いだら、壁に手を支えぬと、私は歩けませぬのじゃ。のうフローラ、なぜに私は、かけ換えのない二人の兄弟——横蔵と慈悲太郎を
殺
(
あや
)
めたのであろう。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
殺
常用漢字
小5
部首:⽎
10画
“殺”を含む語句
主殺
殺害
打殺
殺生
鏖殺
人殺
射殺
撲殺
虐殺
殺戮
斬殺
暗殺
屠殺場
縊殺
切殺
殺人
絞殺
屠殺
相殺
生殺
...