“引浚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひっさら54.5%
ひきさら36.4%
ひつさら9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
表で無邪気な貧窮組を騒がしておいて、金目の物を引浚ひっさらって裏から消えてしまうというのは、武士にあるまじき行いであります。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
とさへ思つた父! われ/\少年時代の幸福の全部を引浚ひきさらつて行つてしまつた父! その父のためにこそわれ/\兄妹はどんなに悲しいいぢけた生活をして来たことか?
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
最早前後を顧慮するいとまとてもなく千登世をらつし去つたのであるが、それは合意の上だと言へば言へこそすれ、ゴリラが女を引浚ひつさらへるやうな慘虐な、ずゐぶん兇暴なものであつた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)