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引浚
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ひっさら
ふりがな文庫
“
引浚
(
ひっさら
)” の例文
表で無邪気な貧窮組を騒がしておいて、金目の物を
引浚
(
ひっさら
)
って裏から消えてしまうというのは、武士にあるまじき行いであります。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ふと雪江さんの座蒲団が眼に
入
(
い
)
る……之れを見ると、何だか捜していた物が
看附
(
みつか
)
ったような気がして、
卒然
(
いきなり
)
引浚
(
ひっさら
)
って、急いで
起上
(
たちあが
)
って雪江さんの跡を追った。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
巾着ぐるみ有金を
引浚
(
ひっさら
)
い、死骸は弁天の池ン中へ
投
(
ほう
)
り込んだのは私の仕業だ、そればかりでなく、娘を殺す
前
(
めえ
)
に、段々様子を聞くと、
宅
(
うち
)
に奉公をして居た粂之助と云う者は
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いけ
年
(
どし
)
を
仕
(
つかまつ
)
った、学芸記者が
馴
(
な
)
れない軽口の
逃
(
にげ
)
口上で、帽子を
引浚
(
ひっさら
)
うと、すっとは出られぬ、ぎっしり詰合って飲んでいる、めいめいが席を開き、座を立って
退口
(
のきぐち
)
を譲って通した。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
強奪
(
ごうだつ
)
の仕方があまりに大胆で
大袈裟
(
おおげさ
)
で、しかも
遮
(
さえぎ
)
る人があっても人命を
殺
(
あや
)
めるようなことはなく、衣類や小道具などには眼もくれず、
纏
(
まと
)
まった金だけを
引浚
(
ひっさら
)
って悠々として出て行く。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
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何う云う訳か
他人
(
ひと
)
さまの物を盗み取りましたり、親の物を
引浚
(
ひっさら
)
って逃げますような悪い癖がございましたから勘当致しましたが、御維新
己来
(
このかた
)
汝
(
そち
)
の行方ばかり捜して居たが、
東京
(
とうけい
)
には居らんから
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
引浚
(
ひっさら
)
って出て来たのだ。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
浚
漢検1級
部首:⽔
10画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出