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彩
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あや
ふりがな文庫
“
彩
(
あや
)” の例文
実に微妙な光線の
彩
(
あや
)
で、それらの綴りが、こうもよめる不思議を見出すものはありません「その胸に よろこびのしるしをつけん またの日」
獄中への手紙:11 一九四四年(昭和十九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
糸子は床の間に縫物の五色を、
彩
(
あや
)
と乱して、
糸屑
(
いとくず
)
のこぼるるほどの
抽出
(
ひきだし
)
を二つまであらわに抜いた針箱を窓近くに添える。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あなたさまの
彩
(
あや
)
に美しきおん目を拝ませてくださいますならば、たとえその後で私を罰せられ、私を投獄あそばし
エリザベスとエセックス
(新字新仮名)
/
リットン・ストレイチー
(著)
土地の高低もなければ、建築の
彩
(
あや
)
もなく、一つの
襞
(
ひだ
)
さえもない。全景が氷のようで規則的で醜くかった。およそ
均斉
(
シンメトリー
)
ほど人の心をしめつけるものはない。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
映って、そして、緋に、紫に、
朱鷺色
(
ときいろ
)
に、二人の烏帽子、素袍、狩衣、
彩
(
あや
)
あるままに色の影。ことにお珊の黒髪が、
一条
(
ひとすじ
)
長く、横雲掛けて見えたのである。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
十分間の休憩を置いて
管絃楽
(
オルケストラ
)
が始まる度に
下手
(
へた
)
な
連中
(
れんぢゆう
)
は
引
(
ひき
)
込んで、四方の
観棚
(
ロオジユ
)
の卓を離れて出る一双
宛
(
づゝ
)
の人間が
入
(
いり
)
乱れ
乍
(
なが
)
ら素晴しい速度で目も
彩
(
あや
)
に踊つて廻るのは
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
山も見えず川も見えずもちろん磯には石ころもない。ただただ大地を両断して、海と陸とに分かち、白波と漁船とが景色を
彩
(
あや
)
なし、円大な空が上をおおうてるばかりである。
紅黄録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
女はその時そこにいるのがもうたまらないと云うようにして
起
(
た
)
ちあがった。
単衣
(
ひとえ
)
の上に
羽織
(
はお
)
った
華美
(
はで
)
なお
召
(
めし
)
の
羽織
(
はおり
)
が
陰鬱
(
いんうつ
)
な
室
(
へや
)
の中に
彩
(
あや
)
をこしらえた。順作はそれに気をとられた。
藍瓶
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
玉きはる いのちのうめき
炎
(
ほむら
)
して
彩
(
あや
)
なす雲と
群立
(
むらた
)
ちにけむ
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
あの三番目が「モンナミ」の
彩
(
あや
)
ちゃんだど。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
雲照らふ
落日
(
いりひ
)
の
紅
(
あけ
)
に水の絵の
彩
(
あや
)
も乱れて
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
酒の香、
衣
(
きね
)
の
色
(
いろ
)
彩
(
あや
)
みだれうかぶ、——
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
しぬびの光よ、
彩
(
あや
)
なき
夢
(
ゆめ
)
の
如
(
ごと
)
く
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
しかすがに
彩
(
あや
)
映
(
は
)
ゆれば
わなゝき
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
これさへ色と
彩
(
あや
)
ありて
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
もろ
羽
(
は
)
は
彩
(
あや
)
にうつろひて
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
涌來
(
わきく
)
る
彩
(
あや
)
の
幽
(
かす
)
かにも
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
されば、
髪飾
(
かみかざり
)
、絹の
彩
(
あや
)
、色ある姿はその折から、風呂の口に吸い込まれて、
裳
(
もすそ
)
は湯気に呑まるるのである。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よしさらば、
香
(
にほひ
)
の
渦輪
(
うづわ
)
、
彩
(
あや
)
の嵐に。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
彩
(
あや
)
なす雲にうちのりて
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
万
(
よろづ
)
の
栄光
(
さかえ
)
、
千々
(
ちゞ
)
の
彩
(
あや
)
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
春風
(
はるかぜ
)
の
把
(
と
)
る
彩
(
あや
)
の筆
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
前途
(
ゆくて
)
へ、今大鳥居を
潜
(
くぐ
)
るよと見た、見る目も
彩
(
あや
)
な、お珊の姿が、それまでは、よわよわと
気病
(
きやみ
)
の床を
小春日和
(
こはるびより
)
に、庭下駄がけで、我が別荘の背戸へ出たよう、
扱帯
(
しごき
)
で
褄
(
つま
)
取らぬばかりに
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
沙
(
いさご
)
の限り
彩
(
あや
)
もなく暮れてゆくなり。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
彩
(
あや
)
なす雲にうちのりて
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
雲
(
くも
)
は
彩
(
あや
)
湧
(
わ
)
く
時
(
とき
)
をのせ
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
希望
(
のぞみ
)
の
瑞木
(
みづき
)
彩
(
あや
)
生
(
お
)
ふ蔭に入りき。——
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
彩
(
あや
)
にうつろふ夕まぐれ
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彩
(
あや
)
に
人
(
ひと
)
よぶ
賑
(
にぎわ
)
ひに
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
情の日の
彩
(
あや
)
饒
(
おほ
)
き空の下へ。
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
彩
(
あや
)
にうつろふ夕まぐれ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
いろ
彩
(
あや
)
ととなふ虹のごとく
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
その日に空の
彩
(
あや
)
を見し
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
その灰いろに
彩
(
あや
)
といふ
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
影に
彩
(
あや
)
なすあたり……
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
夕にはまた
彩
(
あや
)
を織る
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
“彩”の意味
《名詞》
(いろどり)色をつけること。配色。
(だみ)金泥や銀泥で彩色すること。
(出典:Wiktionary)
彩
常用漢字
中学
部首:⼺
11画
“彩”を含む語句
彩色
色彩
光彩
彩色硝子
彩画
彩雲
極彩色
五彩
薄彩色
彩色画
彩畫
淡彩
彩糸
迷彩
彩虹
風彩
彩絹
色彩間苅豆
彩色絵
彩玻璃
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