“抽出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきだし60.2%
ひきだ27.4%
ぬきだ4.4%
ちゅうしゅつ2.7%
ぬきんで2.7%
ぬきいだ0.9%
ぬきいで0.9%
ぬきで0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
置きくした験温器をがしていた、次の間の小夜子は、長火鉢の二番目の抽出ひきだしを二寸ほど抜いたまま、はたりと引く手を留めた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「今、ちょっと用達ようたしに出かけている。」彼は、そういうと、先へ大急ぎで、二階へ上ると、新子からの手紙を机の抽出ひきだしにかくした。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
幸徳らは政治上に謀叛して死んだ。死んでもはや復活した。墓は空虚だ。いつまでも墓にすがりついてはならぬ。「もしなんじの右眼爾をつまずかさば抽出ぬきだしてこれをすてよ」
謀叛論(草稿) (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
自然がその奥深く秘めた神秘への人間の憧憬しょうけいの心が科学の心である。現代の科学は余りにもその最も悪い一面のみが抽出ちゅうしゅつされている。
原子爆弾雑話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
もとより、われは一握り程の碌米ろくまいの為に、忠勤を抽出ぬきんでんとて武芸、学問を出精せるに非ず。半面鬼相にもあれ、何にもあれ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
れ!」とかれはそのてのひらを学生の鼻頭はなさき突出つきいだせり。学生はただちにパイレットのはこを投付けたり。かれはその一本を抽出ぬきいだして、燐枝マッチたもとさぐりつつ
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いくち、しめじ、合羽かっぱ、坊主、熊茸、猪茸ししたけ虚無僧茸こむそうたけ、のんべろ茸、生える、える。蒸上り、抽出ぬきいでる。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つてべい。方角はうがく北東きたひがしやりだけ見当けんたうに、辰巳たつみあたつて、綿わたつゝんだ、あれ/\天守てんしゆもり枝下えださがりに、みねえる、みづえる、またみねえてみづまがる、またひとみね抽出ぬきでる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)