“ひきだし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
抽斗74.3%
抽出17.0%
引出4.0%
抽匣2.0%
曳出1.7%
引抽0.2%
抽筐0.2%
抽箱0.2%
袖斗0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
箪笥や用箪笥の抽斗(ひきだし)が取り散らされているのを見ると、かれは目ぼしい品物を持ち出して、どこへか駈け落ちをしたらしく思われた。
半七捕物帳:32 海坊主 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
母は、それつきり、話をやめて座を起つたと思うと、小箪笥の抽出(ひきだし)をあけて、一枚の写真を取り出し、それを息子の前においた。
光は影を (新字新仮名) / 岸田国士(著)
しかしこころえ顔の係官たちは、床の上にはらばいになって器械台の下をのぞきこんだり、戸棚の引出(ひきだし)をぬきだしたりして、どんどん仕事を進めていった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
母に言付けられて、お俊は次の間に置いてある桐(きり)の机の方へ行った。実の使用(つか)っていた机だ。その抽匣(ひきだし)の中から、最近に来た父の手紙を取出した。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
詰(つま)り、彼女の懸けて居る色眼鏡とそっくりの、而も金縁のそれを、私の学生時代新派役者や軟派のヨタモンにかぶれて常用して居た事があり、最近ではとんと顧ず壊れ箪笥の曳出(ひきだし)にでも蔵(しま)い込んで
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
お高は引抽の中の衣服(きもの)を手早く胡蓙(ござ)の上へ出して、傍の渋紙包を解き、その中の畳(たた)んで二つにしてあるのを延ばし延ばし引抽(ひきだし)の中へ入れた。平吉は主婦の詞(ことば)を待っていた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「いいから」窓の左側になった箪笥(たんす)へ指をやって「あの引抽(ひきだし)を開けておくれよ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
岸本は節子を呼んで、箪笥(たんす)の抽筐(ひきだし)を引出して見せた。園子の形見としてその日まで大切に蔵(しま)って置いた一重(ひとかさ)ねの晴着と厚い帯とが、そこに残っていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「子供がいろいろお世話に成りました」それを岸本が言って、下座敷に置いてある箪笥の抽筐(ひきだし)の底から園子の残したものを節子姉妹に分けてくれたこともあった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
つとめて又持たせ遣らんとこそ思ひ侍りしなれ。手帳は現(げん)にこゝに在り。斯く云ひて、新婦(にひよめ)は抽箱(ひきだし)よりさきの手帳を取出せり。戸外の人は何やらん言へり。
さて窓に近きところを往來(ゆきき)して、物取り片付けなどし、ふと何事をか思ひ出でしものゝ如く、箪笥の前に坐して、その抽箱(ひきだし)より紅色の手帳一つ取り出だしつ。
今の貴族院議員の滝口吉良(たきぐちよしろう)なども、先年書生の時はその中の一人で、何百円か私の処に預けてあったが、私はその金をチャンと箪笥の袖斗(ひきだし)に入れて置(おい)て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)