“ひきだし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
抽斗78.2%
抽出13.0%
引出3.8%
抽匣2.4%
曳出1.5%
引抽0.3%
抽筐0.3%
抽箱0.3%
袖斗0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぶたのように子供をみつづけ——わたしは机の抽斗ひきだしの奥へばたりとこの文放古ふみほごほうりこんだ。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ふと気が着いて見ると、箪笥たんすを入た押込おしこみの襖がけっ放して、例の秘密の抽斗ひきだしが半分開いていた。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「番頭の勘七に訊きましたよ。虫干の時見たことがあるが、何處かの抽出ひきだしへでも入つて居たことでせう——といふことで」
ところが、大宝寺小学校の高等科をやがて卒業するころ、仏壇の抽出ひきだしの底にはいっていた生みの母親の写真を見つけました。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
座に着いて、針箱の引出ひきだしから、一糸いっし其の色くれないなるが、幼児おさなごの胸にかゝつて居るのを見て、
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さうして洋卓テーブル引出ひきだしから西洋はさみして、ぷつり/\と半分はんぶん程の長さにめた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
細君はいいにくそうに、箪笥たんす抽匣ひきだしにしまって置いた自分の着物と帯を質に入れた顛末てんまつを話した。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
丑松はまた、友達が持つて来て呉れた月給を机の抽匣ひきだしの中へ入れて、其内を紙の袋のまゝ袂へも入れた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
同じ曳出ひきだしの中に在った鋭いらしい匕首あいくちも中身をあらためてから懐中ふところへ呑んだ。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
警察医が来て愛子を介抱している間に、俺達は紫塚造船所に乗込んで、机の曳出ひきだしを片付けている最中の大深を、有無を云わさず引っ捕えた。
近眼芸妓と迷宮事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
広栄は急いで机の引抽ひきだしけて帳面と算盤そろばんをしまい、それから硯箱すずりばこふたをしながら来客の用件について考えた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「いいから」窓の左側になった箪笥たんすへ指をやって「あの引抽ひきだしを開けておくれよ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「子供がいろいろお世話に成りました」それを岸本が言って、下座敷に置いてある箪笥の抽筐ひきだしの底から園子の残したものを節子姉妹に分けてくれたこともあった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
岸本は節子を呼んで、箪笥たんす抽筐ひきだしを引出して見せた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
打ち返し見てほゝ笑み、開き見んとするさまなりしが、忽ち又首打ちりて、手快てばや抽箱ひきだしの中に投じたり。
さて窓に近きところを往來ゆききして、物取り片付けなどし、ふと何事をか思ひ出でしものゝ如く、箪笥の前に坐して、その抽箱ひきだしより紅色の手帳一つ取り出だしつ。
今の貴族院議員の滝口吉良たきぐちよしろうなども、先年書生の時はその中の一人で、何百円か私の処に預けてあったが、私はその金をチャンと箪笥の袖斗ひきだしに入れておいて、毎月取りに来れば十円でも十五円でも入用だけ渡して、その残りは又紙に包んで仕舞しまって置く。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)