“抽匣”の読み方と例文
読み方割合
ひきだし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
箪笥の抽匣ひきだしにあちこち分けてしまってある幾つもの縞の財布には、それぞれ少しずつ小金を貯めているといったささやかな女地主の婆さんの一人で。
母に言付けられて、お俊は次の間に置いてあるきりの机の方へ行った。実の使用つかっていた机だ。その抽匣ひきだしの中から、最近に来た父の手紙を取出した。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
廊下の方に耳を澄ましながら、吉里は手箪笥の抽匣ひきだしを行燈の前へ持ち出し、上の抽匣の底を探ッて、薄い紙包みを取り出した。中には平田の写真が入ッていた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)