“抽箱”の読み方と例文
読み方割合
ひきだし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つとめて又持たせ遣らんとこそ思ひ侍りしなれ。手帳はげんにこゝに在り。斯く云ひて、新婦にひよめ抽箱ひきだしよりさきの手帳を取出せり。戸外の人は何やらん言へり。
さて窓に近きところを往來ゆききして、物取り片付けなどし、ふと何事をか思ひ出でしものゝ如く、箪笥の前に坐して、その抽箱ひきだしより紅色の手帳一つ取り出だしつ。
打ち返し見てほゝ笑み、開き見んとするさまなりしが、忽ち又首打ちりて、手快てばや抽箱ひきだしの中に投じたり。そのさま密事みそかごとして父母などに見られしに驚く小兒に似たりき。