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抽匣
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ひきだし
ふりがな文庫
“
抽匣
(
ひきだし
)” の例文
箪笥の
抽匣
(
ひきだし
)
にあちこち分けて
蔵
(
しま
)
ってある幾つもの縞の財布には、それぞれ少しずつ小金を貯めているといったささやかな女地主の婆さんの一人で。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
母に言付けられて、お俊は次の間に置いてある
桐
(
きり
)
の机の方へ行った。実の
使用
(
つか
)
っていた机だ。その
抽匣
(
ひきだし
)
の中から、最近に来た父の手紙を取出した。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
廊下の方に耳を澄ましながら、吉里は手箪笥の
抽匣
(
ひきだし
)
を行燈の前へ持ち出し、上の抽匣の底を探ッて、薄い紙包みを取り出した。中には平田の写真が入ッていた。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
私の書斎のいろいろながらくた物などいれた本箱の
抽匣
(
ひきだし
)
に昔からひとつの小箱がしまつてある。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
机の
抽匣
(
ひきだし
)
から古びた
鵬翼
(
ほうよく
)
の袋を取出し、それから
棚
(
たな
)
の上のラジオにスイッチを入れるのだった。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
▼ もっと見る
細君はいい
悪
(
にく
)
そうに、
箪笥
(
たんす
)
の
抽匣
(
ひきだし
)
にしまって置いた自分の着物と帯を質に入れた
顛末
(
てんまつ
)
を話した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
このいろんな仕切りのついた
上置
(
うわおき
)
をそっくり取りのけると、その下には半切の用紙がぎっしり詰まっており、手箱の横腹には
金子
(
かね
)
を入れておく、小さな秘密の
抽匣
(
ひきだし
)
がついている。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「みんなあの人に関係した書類なんだそうです。健三に見せたら参考になるだろうと思って、
用箪笥
(
ようだんす
)
の
抽匣
(
ひきだし
)
の中にしまって置いたのを、
今日
(
きょう
)
出して持って来たって
仰
(
おっし
)
ゃいました」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
丑松はまた、友達が持つて来て呉れた月給を机の
抽匣
(
ひきだし
)
の中へ入れて、其内を紙の袋のまゝ袂へも入れた。尤も
幾許
(
いくら
)
置いて、幾許自分の身に着けたか、それすら好くは覚えて居ない。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ええ大丈夫よ、ほら、あそこの
抽匣
(
ひきだし
)
に鍵かけて収めて置くからもう大丈夫よ。
恐怖教育
(新字旧仮名)
/
原民喜
(著)
行燈は前の障子が開けてあり、
丁字
(
ちょうじ
)
を結んで油煙が黒く
発
(
た
)
ッている。
蓋
(
ふた
)
を開けた
硯箱
(
すずりばこ
)
の傍には、端を引き裂いた
半切
(
はんきれ
)
が転がり、手箪笥の
抽匣
(
ひきだし
)
を二段斜めに重ねて、唐紙の
隅
(
すみ
)
のところへ押しつけてある。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
抽
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
匣
漢検1級
部首:⼕
7画
“抽”で始まる語句
抽斗
抽
抽出
抽籤
抽象的
抽筐
抽箱
抽象派
抽取
抽出法