“ぬきだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
抽出62.5%
抜出12.5%
抜萃12.5%
捉出12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
書棚をのぞいて奥を見て、抽出ぬきだす論語の第一巻——やしきは、置場所のある所とさへ言へば、廊下の通口かよいぐちも二階の上下うえしたも、ぎつしりと東西の書もつのそろつた、硝子戸がらすど突当つきあたつて其から曲る
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
総領の藤十郎はそっと絵図面だけを抜出ぬきだし、恐ろしい災禍の身に及ぶのを覚って、七つに切って七人の兄弟にけ、ひそかに七人の子孫に伝えて、何時いつかは七枚一時に世に出て、秘めた七万両の宝が
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
勿論当時のサラセン嫌悪の風潮で、ゲルベルトをまるで妖術師扱いにしているのだが、とにかくその一節を抜萃ぬきだしてみよう。一種の錬金抒情詩アルケミー・リリックなんだよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
文三はホッと吐息をついて、顧みて我家わがいえの中庭を瞰下みおろせば、所狭ところせきまで植駢うえならべた艸花くさばな立樹たちきなぞが、わびし気にく虫の音を包んで、黯黒くらやみうちからヌッと半身を捉出ぬきだして
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)