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ぬけい
もし
魂の
拔出でたらんか、これ
一顆の
碧眞珠に、
露草を
鐫れるなるべし。
此の
人もし
仇あらば、
皆刃を
取つて
敵を
討たん。
靈山の
氣、
汽車に
迫れり。——
山北——
山北——
將また、
千束の
文に
一言も返さざりし我が無情を恨み給はん時、いかに
應へすべき、など思ひ惑ひ、恥かしさも催されて、
御所を
拔出でしときの心の
雄々しさ、
今更怪しまるゝばかりなり。
彼は
起上って
声限りに
呌び、そうしてここより
抜出でて、ニキタを
真先に、ハバトフ、
会計、
代診を
鏖殺にして、
自分も
続いて
自殺して
終おうと
思うた。
背後に……たとへば
白菊と
称ふる
御厨子の
裡から、
天女の
抜出でたありさまなのは、
貴に気高い御簾中である。