“天女”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てんにょ63.6%
てんによ21.2%
てんにん6.1%
エンゼル6.1%
てんじょ3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれど、天女てんにょは、てんにいるものとばかりしんじたのを、どうしてこんなところへりたのであろうか、とかずにはいられませんでした。
羽衣物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
天女てんによ御空みそらふがごと美音びおんは、こゝろなき壇上だんじやうはなさへさへゆるぐばかりで、滿塲まんじやうはあつとつたまゝみづつたやうしづまりかへつた。
女子おなごの事でござりましての。はい、ものにたとえようもござりませぬ。欄間にござる天女てんにんを、蛇がいたような、いや、奥庭の池の鯉を、蠑螈いもりが食い破りましたそうな儀で。……生命いのちも血も吸いました。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なほ天堂に於ける天女エンゼルにして、もしその面貌醜ならむか、濁世だくせい悪魔サタン花顔雪膚くわがんせつぷに化したるものに、嗜好しかうの及ばざるや、はなはだ遠し。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
仏像についで羅漢らかん像も、老僧も、天女てんじょも、鳳凰ほうおうも、孔雀くじゃくも、鶴も、雉子も、獅子も、麒麟も、人の画も、形のある物は皆大声に笑った。
山寺の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)