“引抽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきぬ75.0%
ひきだし25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人の間の若い情緒的なものばかりを引抽ひきぬいて、或は空想して、それに潤色し、自分の老いの気分に固着するのを忘れ
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
主人が不取締だと下女が檐端のきばかや引抽ひきぬいて焚付たきつけにする、などと下女がヤリテンボウな事をする小さな事にまで気の届いている、すさまじい聡明そうめいな先生だった。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
お高は引抽の中の衣服きものを手早く胡蓙ござの上へ出して、傍の渋紙包を解き、その中のたたんで二つにしてあるのを延ばし延ばし引抽ひきだしの中へ入れた。平吉は主婦のことばを待っていた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「いいから」窓の左側になった箪笥たんすへ指をやって「あの引抽ひきだしを開けておくれよ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)