“ぬきんで”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
33.3%
抽出33.3%
擢出22.2%
11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高くぬきんでて白蓮の花が、——夜だから花弁をふくよかに閉じて、宝珠かのように咲いていたが、そこから甘い惑わすような匂いが、双生児の姉妹きょうだいの悲しい思いを、慰めるように香って来ていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
秀た額、角度かど立った頤、頬骨低く耳厚く、頸足えりあし長く肩丸く、身長せいの高さ五尺七八寸、囲繞とりまいた群集に抽出ぬきんでている。垢付かぬ肌の清らかさは、手にも足にも充分現われ、神々しくさえ思われる。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
が、当時梨園に擢出ぬきんでた、名優久女八くめはちは別として、三崎座なみはなさけない。場面を築地辺にとればまだしもであったと思う。けれども、三崎町が事実なのである。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ささや桃吉ももきち春本万竜はるもとまんりゅう照近江てるおうみこい富田屋八千代とみたややちよ川勝歌蝶かわかつかちょう富菊とみぎく、などは三都歌妓の代表として最もぬきんでている女たちであろう。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)