ぬきんで)” の例文
群像の頭上をぬきんでてキラキラ閃めくものがある。月光をねたり纏ったり、ビリ付いている太刀である。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
高くぬきんでて白蓮の花が、——夜だから花弁をふくよかに閉じて、宝珠かのように咲いていたが、そこから甘い惑わすような匂いが、双生児の姉妹きょうだいの悲しい思いを、慰めるように香って来ていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そいつをぬきんでて一個の人影、宗三郎目掛けて斬り込んで来た。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)