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害
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あや
ふりがな文庫
“
害
(
あや
)” の例文
紛
(
まぎ
)
れもない、昨夜平次が枕元から盜られた短刀。曲者はこれで植惣を
害
(
あや
)
めた後、三つ葉葵を散らした鞘だけは持つて歸つたのでせう。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さるゆえ竜造寺長門、これを
害
(
あや
)
めるに何の不思議があろうぞ。憎むべき仏敵斃すために、人夫の十人二十人、
生贄
(
いけにえ
)
にする位は当り前じゃわ
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
だが、それはさておいて、今こそ、そもじに横蔵慈悲太郎を
害
(
あや
)
めた、下手人の名を告げましょうぞ。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
いやいや
晁
(
ちょう
)
君、またほかの諸兄もお笑いください。過ちとは申せ、くだらぬ女を
害
(
あや
)
めて、この始末。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんなことがちらちらと
噂
(
うわさ
)
に立つと、綾之助の高座へ
悪戯
(
いたずら
)
をするものが出来た。石井氏の名を知って
害
(
あや
)
めようとする者などもあった。養母の鶴勝を
煽
(
おだ
)
てるものもあった。
竹本綾之助
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
殿様のお命を
害
(
あや
)
めんためお菊殿共々お屋敷へ住み込み、機会を窺って居りました次第。とは云え性来の海賊ではなく産れは播州赤穂城下、塩田業山屋こそは私の実家でござります。……
赤格子九郎右衛門の娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
太「何だって今此の狼藉者が這入ったのだ…さこれ
能
(
よ
)
く
面体
(
めんてい
)
を見ろ、人違いを致すな、己は人を
害
(
あや
)
めた覚えも無し、敵と呼ばれて打たれる覚えも無い、これ
面
(
おもて
)
を見ろ、心を静めて面を見ろ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
風摩の大将を
害
(
あや
)
めれば、どう祟るくらいのことは心得ているから、その辺のところは念入りに首尾をしておいた。夜更けなり闇夜なり、誰かに見られたかというような浅墓なお気遣いはご無用である。
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
尤も人を
害
(
あや
)
めたり、非道なことをするのはその手下、わけても飴屋に化けた甚助の惡業で、お歌はそれをどんなに嫌がつたことでせう。
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「武道を
嗜
(
たしな
)
む者が道を誤まるとは何ごとじゃッ。
無辜
(
むこ
)
の人命
害
(
あや
)
めし罪は免れまいぞ! 主水之介
天譴
(
てんけん
)
を加えてつかわすわッ。これ受けい!」
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
一代、こんな世の中だったが人も
害
(
あや
)
めず自分も殺さず、けっこう毎日を楽しんで暮しなすった。
修羅六道
(
しゅらろくどう
)
の地獄の世を、あの深い目で見物しに生れてきたようなお人だったが。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なるほど、靴を脱いでしまえば、片足には音がないのですから、さような御推測も、無理とは思いませぬが、しかし、
黄金郷
(
エルドラドー
)
の探検を、共にと誓った御両所を、なんで
害
(
あや
)
めましょうぞ。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
害
(
あや
)
めたところで、大したおとがめはあるめえ——お富に
初孫
(
ういまご
)
が出来る頃までには、手前も西国巡礼の旅から帰って来られるだろうよ
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
公使館を焼き払い、外人を
害
(
あや
)
めて、国難を招くがごとき
浪藉
(
ろうぜき
)
を働くとは何ごとかっ。幕政に不満があらばこの安藤を斬れっ。この対馬を
屠
(
ほふ
)
れっ。
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
だが——親鸞を
害
(
あや
)
めなさろうとしたその心が、真の宿縁となって、ここにおん身が真実を吐き、わしが真実の手をのぶることとなったと思えば、その害心に、わしは
掌
(
て
)
をあわせる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いまこそ、
妾
(
わらわ
)
の憎しみを知ったであろうのう。そもじを
十字架
(
クルス
)
に付ければとて、罪は
贖
(
あがな
)
えぬほどに底深いのじゃ。横蔵を
害
(
あや
)
め、慈悲太郎を殺したそもじの罪は、いまここで、
妾
(
わらわ
)
が贖ってとらせるぞ。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
眠り薬を呑まない手代の宗次郎を
害
(
あや
)
めて、三つの千両箱を隠すだけのことなら、荷物をチョイと縁側におろしても出来ることだぜ
銭形平次捕物控:239 群盗
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いきなり身共が乗り込んで参らば面識ある者だけに、十郎次、罪のあばかれるのを恐れて女共を
害
(
あや
)
めるやも知れぬゆえ、それが何よりの気懸りじゃ。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「なにっ、おれにも腕を貸さないかと、
見損
(
みそこ
)
なうな。伝次は、畜生ではないぞ。
盲
(
めしい
)
のお子や尼御前を
害
(
あや
)
めるような腕は持たぬ。儲け仕事とは何ンだ。山分けとは何ンだ。この
外道
(
げどう
)
めが」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
眠り藥を呑まない手代の宗次郎を
害
(
あや
)
めて、三つの千兩箱を隱すだけのことなら、荷物をチヨイと椽側におろしても出來ることだぜ
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「身内の売り子の人別帳でござります。麻布で
害
(
あや
)
められたとか申しましたなつの身もとをお
詮議
(
せんぎ
)
にお越しであろうと存じますゆえ、お目にかけたのでござります」
右門捕物帖:30 闇男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「それは貴公の大手柄だった。——して、何の恨みでそんなに人命を
害
(
あや
)
めたのか」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
害
(
あや
)
めたところで、大したおとがめはあるめえ——お富に初孫が出來るまでには、
手前
(
てめえ
)
も西國巡禮の旅から歸つて來られるだらうよ
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
第二は毒蛇を潜ませて、古高新兵衛を
害
(
あや
)
めた下手人。
旗本退屈男:03 第三話 後の旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「いや聽かぬ、今晩、此處へ來てお琴お糸二人の姉妹に逢へば、伜金之助を
害
(
あや
)
めた下手人を教へてやるといふ手紙があつたから參つたのぢや」
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
毒菓子の計略で若様を
害
(
あや
)
めた下手人を出さないうちは、秘伝書と御墨付も、未来永劫この世に出る気遣いはない、と恐ろしい事を申しております
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「平次、春日邦之助殿の
潔白
(
けつぱく
)
はそれで相解つたが——本多右馬之丞殿を
害
(
あや
)
めた下手人は何者だ。それが解らぬうちは——」
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
害
(
あや
)
めたのは、湯島切通しに屋敷を構へる、三千五百石の大旗本、望月丹後と、その用人近藤幾馬と申すもので御座います。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
人を
害
(
あや
)
めれば戦場で起った殺傷でない限り、必ず敵討に狙われ、一生危険にさらされ通しの自分の生命を感じなければならない時代だったのです。
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「すると鼬小僧は誰だ、今度は人まで
害
(
あや
)
めて居るぜ。この路地の中へ追ひ込まれてから、鑄掛屋の幸吉を殺して何處かへ潜り込んだに違げえねえ」
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
殺せないこともあるまいが、
企
(
たくら
)
んで人を
害
(
あや
)
める柄じゃないし、それに五千両を隠すなんて器用なことの出来る男じゃねえ
銭形平次捕物控:055 路地の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「十次郎樣を
害
(
あや
)
めた下手人は、きつとあつしが搜し出すが、その前に小堀家の寶物——遠州流祕傳書と、東照公御墨附を渡して貰へないだらうか」
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
帰れ、お前はお梅とか言ったな——三文字紋弥が乱心して主君を
害
(
あや
)
め、この高塚蔵人の手で成敗されたのだ、——だが、大公儀はそれでは通らぬ。
奇談クラブ〔戦後版〕:10 暴君の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よいよい、人を
害
(
あや
)
めたわけではないから、今度だけは知らぬ振りをしてやろう。その代り、こんな人騒がせは二度とはならぬぞ。宜いか、鑑哲」
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よい/\、人を
害
(
あや
)
めたわけではないから、今度だけは知らぬ振りをしてやらう。その代り、こんな人騷がせは二度とはならぬぞ。宜いか、鑑哲」
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「十次郎様を
害
(
あや
)
めた下手人は、きっとあっしが捜し出すが、その前に小堀家の宝物——遠州流秘伝書と、東照公御墨付を渡して貰えないだろうか」
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
三河屋の若旦那ぢやありませんとも、あの優しい若旦那が、人などを
害
(
あや
)
めるものですか、下手人はお厩の喜三太ですよ、誰が何んと言つても、えゝ
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
梁
(
はり
)
を渡り、
庇
(
ひさし
)
を傳ひ、天窓を切破り、格子を外し、鼠か
鼬
(
いたち
)
のやうに忍び込んで、人を
害
(
あや
)
め、財を
掠
(
かす
)
め、姿も形も見せずに煙の如く消えて了ふのです。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
咄嗟
(
とっさ
)
の間にお二人で相談して、刀を隠して格子戸を外し、
曲者
(
くせもの
)
が外から入って父上を
害
(
あや
)
めたことに取り繕ったのです。それに間違いはないでしょうな
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
馬吉には、上野の
正午
(
ここのつ
)
が鳴って、奥で笛の音がしたら、そっとお嬢さんの部屋へ入って、
害
(
あや
)
めるように教えておいた。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
馬吉には、上野の
正午
(
こゝのつ
)
が鳴つて、奧で笛の音がしたら、そつとお孃さんの部屋へ入つて、
害
(
あや
)
めるやうに教へて置いた。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
信州の山奧に居る時は、隨分投げ罠も使ひましたが、それはもう二十何年も昔のことで、江戸へ出て人間を
害
(
あや
)
めることなどは、夢にも考へちやゐません
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
梁
(
はり
)
を渡り、
庇
(
ひさし
)
を伝い、天窓を切り破り、格子を外し、
鼠
(
ねずみ
)
か
鼬
(
いたち
)
のように忍び込んで、人を
害
(
あや
)
め、財を
掠
(
かす
)
め、姿も形も見せずに煙のごとく消えてしまうのです。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
信州の山奥にいる時は、ずいぶん投げ罠も使いましたが、それはもう二十何年も昔のことで、江戸へ出て人間を
害
(
あや
)
めることなどは、夢にも考えちゃいません
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「空っぽだって、箱に仕掛けがあるかも解らないだろう、人まで
害
(
あや
)
めて奪った物を、そう易々と捨てるものか」
銭形平次捕物控:020 朱塗の筐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
若気の
過
(
あやま
)
ちで人を
害
(
あや
)
め、江戸へ逃げて来て名前まで変え、同じ国から出た出雲屋に婿入し、十年ばかりのうちに、すっかり
身上
(
しんしょう
)
を
殖
(
ふや
)
して、江戸の鎌倉町で
銭形平次捕物控:245 春宵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「父親を
害
(
あや
)
めた下手人が、お前の口一つで捕まらないやうになるかも知れない。解るか、俺の言ふことが——」
銭形平次捕物控:179 お登世の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「空つぽだつて、箱に仕掛けがあるかも解らないだらう。人まで
害
(
あや
)
めて奪つた物を、さう易々と捨てるものか」
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
害
(
あや
)
めた下手人、間違ひもなく引渡さうが——牧野樣江戸御留守居の金山樣にお目にかゝり、この耳でもう一度、二十年前の果し合ひのことが確かめ度い——
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
害
(
あや
)
めると、今度はお上の厄介になる——惡者が捕つても、そのお
處刑
(
しおき
)
はお
上
(
かみ
)
に任せることにしては何うだらう
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“害”の解説
仏教用語での害(がい)(sa: vihiṃsā、ヴィヒンサー)は、仏教が教える煩悩のひとつ。
害意。他者への思いやりの心が無い状態、すなわち、慈悲心無き心の状態をさす。大善地法の「不害 (アヒンサー)」の逆 。
説一切有部の五位七十五法のうち、小煩悩地法の一つ。唯識派の『大乗百法明門論』によれば随煩悩位に分類され、そのうち小随煩悩である。
(出典:Wikipedia)
害
常用漢字
小4
部首:⼧
10画
“害”を含む語句
殺害
迫害
妨害
損害
生害
禍害
障害
要害
御生害
惨害
障害物
被害者
有害
害意
殺害者
殘害
水害
被害妄想
残害
自害
...