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害意
前後から迫る刄、平次は相手の深刻な
害意を讀むと、もう
躊躇しませんでした。
そう
言っている
中に、
件の
梅の
精は、しばらく
私達の
方を
珍らしそうに
眺めて
居ましたが、こちらに
害意がないと
知って
安心したものか、やがてスーッと、
丁度蜻蛉のように、
空を
横切って
然るに
此時まで、
海蛇丸は
別に
害意ありとも
見えず、たゞ
其甲板からは
絶えず
探海電燈の
閃光を
射出して、
或は
天空を
照し、
或は
其光を
此方に
向け、
又は
海上の
地理形况等を
探るにやあらん