“覰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うかが66.7%
のぞ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
灯影ひかげは縁を照らして、跫音あしおとは近づけり。白糸はひたと雨戸に身を寄せて、何者か来たるとうかがいぬ。この家の内儀なるべし。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
家慈輿中よちゅうヨリコレヲうかがツテ欷歔ききょス。小弟ふところニアリ呱呱ここ乳ヲもとム。余モマタ家慈ニ向ツテしきり阿爺あやまみユルコトいずれノ日ニアルヤヲ問フ。シカモソノ幽囚ニアルヲ知ラザル也。至レバすなわチ老屋一宇。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
囃子方はやしかたに新という者あり。宵よりでていまだ小屋にかえらざれば、それかと白糸は間近に寄りて、男の寝顔をのぞきたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かく言いつつ珍しげに女のおもてのぞきぬ。白糸はさっとあからむ顔をそむけつつ
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)