“うかが”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウカガ
語句割合
65.0%
16.4%
12.5%
2.7%
1.6%
0.2%
0.2%
物色0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼が小首を傾けて氣取りながら、生徒達の機嫌をうかがふやうな眼附をして、にたりと笑ふ時、私達は蟲酸むしづの走るやうな輕薄さを感じた。
猫又先生 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
おかみさんも、仲々の働き者らしく、いつも帳場に坐って電話の注文をうかがっては、てきぱき小僧さんたちに用事を言いつけて居ります。
誰も知らぬ (新字新仮名) / 太宰治(著)
この郡山の金魚は寛永かんえい年間にすでに新種をこしらえかけていて、以後しばしば秀逸しゅういつの魚を出しかけた気配が記録によってうかがえることである。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ことに、太平洋方面に戦機をうかがっている筈の、帝国海軍の行動について、一行のニュースもないのを物足りなく思った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
抽斎が優善のために座敷牢を作らせたのは、そういう失踪しっそうの間の事で、その早晩かえきたるをうかがってこのうちに投ぜようとしたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
家慈輿中よちゅうヨリコレヲうかがツテ欷歔ききょス。小弟ふところニアリ呱呱ここ乳ヲもとム。余モマタ家慈ニ向ツテしきり阿爺あやまみユルコトいずれノ日ニアルヤヲ問フ。シカモソノ幽囚ニアルヲ知ラザル也。至レバすなわチ老屋一宇。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「話して下さいませんか? 何かご存じのことがあるなら——、私共は自殺の原因を借財のためとばかり思い込んでいるんですから。もしも他に原因があるとすれば、是非うかがっておき度いと存じます」
むかでの跫音 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
門を出づる時、屠犬児いぬころしが、「姉御あんまりだ。」「ひどいじゃねえか。」とその気色を物色うかがえば、自若として、「なにまだ、あんな目に逢わせるのが二三人あるよ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二度と再び深夜に妻の寝室をうかがうぶざまさだけは、慎ませていたが、さえそれから一、二週間も過ぎた時分であったろうか。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
其戸をうかがへばげきとして其れ人し、三歳覿えず、凶なりといふやうになつてしまふ。
震は亨る (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
千人をりていつわりてくだらしめ、燕王を迎えて城に入らしめ、かねて壮士を城上に伏せて、王の入るをうかがいて大鉄板をおとしてこれを撃ち、又別にふくを設けて橋を断たしめんとす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
フルトヴェングラーの「パルジファル」は、これも天下一品的なもので、ストコフスキーほどの業師わざしでもその境地はうかがい得ないだろう。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
うかがっているように見えるもんだから、それで不満なんでしょう
千早館の迷路 (新字新仮名) / 海野十三(著)
父親はそれまでに、横浜と東京の間を幾度となくったり来たりした。弟の家の方をうかがったり、浅草の女の方に引っかかっていたりした。終いにまた子供を突き着けられた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
し建文帝にして走って域外にで、崛強くっきょうにして自大なる者にるあらば、外敵は中国をうかがうの便べんを得て、義兵は邦内ほうないに起るく、重耳ちょうじ一たび逃れてかえって勢を得るが如きの事あらんとす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)