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覰
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うかが
ふりがな文庫
“
覰
(
うかが
)” の例文
灯影
(
ひかげ
)
は縁を照らして、
跫音
(
あしおと
)
は近づけり。白糸はひたと雨戸に身を寄せて、何者か来たると
覰
(
うかが
)
いぬ。この家の内儀なるべし。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
家慈
輿中
(
よちゅう
)
ヨリコレヲ
覰
(
うかが
)
ツテ
欷歔
(
ききょ
)
ス。小弟
懐
(
ふところ
)
ニアリ
呱呱
(
ここ
)
乳ヲ
索
(
もと
)
ム。余モマタ家慈ニ向ツテ
頻
(
しきり
)
ニ
阿爺
(
あや
)
ニ
見
(
まみ
)
ユルコト
何
(
いずれ
)
ノ日ニアルヤヲ問フ。シカモソノ幽囚ニアルヲ知ラザル也。至レバ
則
(
すなわ
)
チ老屋一宇。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
とみには返す
語
(
ことば
)
もなくて、白糸は
頭
(
かしら
)
を
低
(
た
)
れたりしが、やがて馭者の
面
(
おもて
)
を見るがごとく見ざるがごとく
覰
(
うかが
)
いつつ
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
談ここに
到
(
いた
)
りて、甲と乙とは、思わず同音に
嗟
(
うめ
)
きぬ。乗り合いは弁者の顔を
覰
(
うかが
)
いて、その後段を渇望せり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
覰
部首:⾒
18画