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候
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うかが
ふりがな文庫
“
候
(
うかが
)” の例文
お作は妙におどついて、にわかに台所から消し炭を持って来て、星のような
炭団
(
たどん
)
の火を拾いあげては、折々新吉の顔色を
候
(
うかが
)
っていた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
抽斎が優善のために座敷牢を作らせたのは、そういう
失踪
(
しっそう
)
の間の事で、その早晩
還
(
かえ
)
り
来
(
きた
)
るを
候
(
うかが
)
ってこの
中
(
うち
)
に投ぜようとしたのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
宮は
危
(
あやぶ
)
みつつ彼の顔色を
候
(
うかが
)
ひぬ。常の如く戯るるなるべし。その
面
(
おもて
)
は
和
(
やはら
)
ぎて一点の怒気だにあらず、
寧
(
むし
)
ろ
唇頭
(
くちもと
)
には笑を包めるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
友はわずかに
面
(
おもて
)
を
擡
(
あ
)
げて、
額越
(
ひたいご
)
しに検事代理の色を
候
(
うかが
)
いぬ。渠は
峻酷
(
しゅんこく
)
なる法官の威容をもて
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
昔神がここへ乗り捨てた馬が故郷を恋うて顧み嘶くのだそうで、その姿を見て農家が農事を
候
(
うかが
)
う。これらと相似れど、京都東山の大文字火同然人造に係る壮観が英国にある。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
竿を手にして、一心に魚のシメ
込
(
こみ
)
を
候
(
うかが
)
った。魚は
式
(
かた
)
の如くにやがて
喰総
(
くいし
)
めた。こっちは合せた。むこうは抵抗した。竿は月の如くになった。
綸
(
いと
)
は
鉄線
(
はりがね
)
の如くになった。水面に
小波
(
さざなみ
)
は立った。
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
駅吏
預
(
あらかじ
)
メ亭ヲ
掃
(
はら
)
ツテ待ツ。
乃
(
すなわ
)
チ酒ヲ命ジテ飲ンデ別ル。(児精一郎ハ藩命ヲ以テ東京ニ留学ス)過午
草加
(
そうか
)
駅ニ飯ス。
越ヶ谷
(
こしがや
)
大沢ヲ
歴
(
へ
)
テ
粕壁
(
かすかべ
)
ノ駅ニ投ズ。諸僚佐皆来ツテ起居ヲ
候
(
うかが
)
フ。晩間雲意
黯淡
(
あんたん
)
タリ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
想
(
おも
)
ひ見る
淬刃暁暾
(
さいじんげうとん
)
を
候
(
うかが
)
ふ
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
日曜日で自分の内にいるのを
候
(
うかが
)
っていてしゃべり出したかと思われる。
謂
(
い
)
わば天下に呼号して、
旁
(
かたわ
)
ら石田をして聞かしめんとするのである。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
僅
(
わづか
)
にかく言ひ放ちて貫一は
厳
(
おごそ
)
かに沈黙しつ。満枝もさすがに
酔
(
ゑひ
)
を
冷
(
さま
)
して、彼の
気色
(
けしき
)
を
候
(
うかが
)
ひたりしに、例の
言寡
(
ことばすくな
)
なる男の次いでは言はざれば
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
始終働きづめでいるお島は、こんなところへ来て、偶に遊ぶのはそんなに悪い気持もしなかったが、落着のない青柳や養母の目色を
候
(
うかが
)
うと、何となく気がつまって
居辛
(
いづら
)
かった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
われ汝に弓箭を与え置くから、それを取ってかの人来るを
候
(
うかが
)
い、よくこれを射殺さば汝の父は必ず活くべきも、殺し損わば救いがたいという内に、果して右様の人がやって来た。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
銀平これはと打驚き、脈を押えて
候
(
うかが
)
えば
遥
(
かす
)
かに通う虫の呼吸、呼び活けんと声を張上げ
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貫一は
寄付
(
よせつ
)
けじとやうに
彼方
(
あなた
)
を向きて、覚めながら目を
塞
(
ふさ
)
ぎていと静に
臥
(
ふ
)
したり。
附添婆
(
つきそひばば
)
の折から
出行
(
いでゆ
)
きしを
候
(
うかが
)
ひて、満枝は椅子を
躙
(
にじ
)
り寄せつつ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
茶山がいかに温藉の人であつたとしても、自ら屈して其旅舎に
候
(
うかが
)
ふべきではあるまい。茶山の会見を果さなかつたのは、
啻
(
たゞ
)
に病の故のみではあるまい。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その夜の
黎明
(
ひきあけ
)
に、お島が
酔潰
(
えいつぶ
)
れた作太郎の寝息を
候
(
うかが
)
って、そこを飛出した頃には、お
終
(
しまい
)
まで残ってつい今し方まで座敷で騒いで、ぐでぐでに疲れた若い人達も、もう寝静ってしまっていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
“候”の意味
《動詞》
高貴な人のそばに仕える。
(出典:Wiktionary)
“候”の解説
侯
候(コウ、そうろう、グ)
(出典:Wikipedia)
候
常用漢字
小4
部首:⼈
10画
“候”を含む語句
申候
居候
有之候
斥候
徴候
存候
伺候
時候
御座候
仕候
候間
無之候
相成候
致候
候人
被下候
被存候
兆候
被下度候
候処
...