“のぞ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ノゾ
語句割合
74.8%
6.9%
6.7%
3.9%
3.1%
1.8%
0.6%
希望0.5%
0.5%
0.3%
(他:12)0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少年は、急に顔を真赤にして、「君は? 食べないの?」と人が変ったようなおどおどした口調で言って、私の顔をのぞき込む。
乞食学生 (新字新仮名) / 太宰治(著)
彼は客の注意をくために、あらゆる手段を尽して飾り立てられた店頭みせさきを、それからそれとのぞき込んで歩いた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かれには、これまでとはまるでちがった気持ちと態度とをもって、戦いにのぞもうとする意志が、ほのかにきかけていた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
多少たせう私達に好意かういを持つてくれる人達ひとたちは、に/\氣遣きづかひの眼をもつて私達にのぞみました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
いや、何處どこくのも、なにるのものぞまんです。かんがへれば意氣地いくぢいものさ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ただ、たったひとつののぞみは、もとのからだにかえることができるくすり発見はっけんしたいということなんだ。
勿論太陽をのぞ目鏡めがねは光線を避ける為に黒く塗ってある、しかしそれですらもまぶしくて見ていることが出来ぬ。
暗黒星 (新字新仮名) / シモン・ニューコム(著)
障子しょうじ隙間すきまから、かお半分はんぶんのぞかせた母親ははおやを、おせんはあわててさえぎった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
有毒うどく雜木ざつぼくこれらの境界さかひの内に滿つれば、今はたとひ耕すともたやすくのぞき難からむ 九四―九六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「幸七と孫作は死體を抱き起してゐますから、此二人は一番ひどく、若い女共をのぞけば少しつづは皆んなが附いてゐましたよ」
私が盛に哲学書をあさったのも此時で、基督教キリストきょうのぞき、仏典を調べ、神学までも手を出したのも、また此時だ。
予が半生の懺悔 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
玉はのぞいていた時から、心の中でこんな女を弟の細君にしてやりたいと思っていたので、そこで弟と結婚してもらいたいと言った。女はいった。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
私の今のくるしみは、私ん自分にのぞんでゐる愛のりなさを、かなしむ心に外ならないのです。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
よしや我彼が御手に殺さるるとも、我はなお、彼にのぞみをかけざるを得ざるなり。……
勝手にわしの心持を……わしが先代のこの屋敷の主人の、死ぬのを希望のぞんでいるものと推し、古沼から毒ある長虫を捕り
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
江戸の人々は、一日も早く、世間が平和になるようにと希望のぞみながら、家根へ上ったり、門口に立ったりして、上野の方を眺めていた。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
其度毎そのたびごとに渦を巻いたり白い泡を立てたりして、矢のようにはしる川がちょいちょい脚の下にのぞまれる。
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
その真下よりはや上手に当って、四、五丈の瀑が全容をあらわしながら、白く懸っているのがのぞまれた。
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
月光始めて渠水きよすゐに落つるころほひ、我は二女と市長の家の廣間なる、水にのぞめる出窓ある處に坐し居たり。
われは心中にララをおもひサンタをおもひつゝ、月明かなる夜、渠水きよすゐのぞめる出窓の上に、美人の獨りたゝずめるさまを敍したり。
その時に孃子をのぞいて御覽になると大蛇でした。
伯爵家から籍を削除のぞけば、そこではじめて平民になるのゆえ自然宮内省は管轄外となるのだとも噂された。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
それがわかってのぞかれたら、どんなにさっぱりするだろうと思った。
あの顔 (新字新仮名) / 林不忘(著)
殺されるか殺すかだ! これは生優なまやさしい敵ではない! 助かろうとて助かりっこはない! 生け捕られたらなぶり殺しだ。……相手をほふるということは、俺の体にまつわっている、呪詛のろい取去のぞくということになる。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
のぞかわき、くろぶしやけて
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
若しそれらを彼が本当にその詩を書いたのち綺麗きれいさっぱりとのぞき去ってしまったなら、その詩人はひょっとしたらその詩をきっかけに、だんだん詩なんぞは書かなくなるのではないか、という気が私にされぬでもなかった。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
勿論、雪之丞とても、人、今夜、これから自らがのぞむべき危険を想像すると、一種の胸さわぎのようなものは感じるのだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
熾盛さかんな青春の時代ときよに逢ひ乍ら、今迄経験であつたことも無ければ翹望のぞんだことも無い世の苦といふものを覚えるやうに成つたか、と考へると、左様さういふ思想かんがへを起したことすら既にもう切なく可傷いたましく思はれるのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
この土壇場どたんばのぞんで! 俺はいったいどうしたらいいのだ?
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
「この場にのぞんで変心するような臆病者をむりに引張ってきてもしかたがない。ここに御出席の方々は、皆亡君のために一命を投げだしている者どもでござるぞ。その方々の手前もある。打捨てておきなされ」と、言葉鋭く言いきった。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
山口屋善右衞門はたくへ帰って見ると此の騒ぎですから、直ぐに医者を呼びにやりまして八右衞門を療治して貰い、表から此様こんな所をのぞき込まれてはならんからと云うので、奥へ通そうと申しても小平は何うしても動きませんでしたが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
天稟てんぴんにうけえた一種の福を持つ人であるから、あきないをするときいただけでも不用なことだと思うに、相場の勝負を争うことなどはさえぎってお止めする。貴女はあらゆる望みを胸中より退のぞいて、終生の願いを安心立命しなければいけない。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
しかるに故栗田寛先生はこの説を採らず、その新撰姓氏録考証において、「間人の意未だ考へ得ず」と記るされ、慎重なる態度を採って、所謂その疑わしきをのぞいておられるのである。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
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