“のぞ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ノゾ
語句割合
74.0%
7.4%
6.4%
3.7%
3.1%
2.1%
0.6%
0.4%
希望0.4%
0.3%
0.3%
0.2%
退0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
削除0.1%
0.1%
取去0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
翹望0.1%
0.1%
0.1%
除去0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人が出入りするのを見かけたこともなく、いつのぞいても、店のなかはほのくらくしずまりかえっていて、チラとも人影が動かなかった。
『いや/\、わたくしかへつて、天外てんぐわい※里ばんり此樣こんしまから、何時いつまでも、君等きみら故郷こきようそらのぞませることなさけなくかんずるのです。』と嘆息たんそくしつゝ
しやうめいくるのにはすなは其家そのいへわすれ、ぐんのぞんで約束やくそくすればすなは其親そのしんわすれ、(一六)枹鼓ふこることきふなればすなは其身そのみわする。
お勢が開懸あけかけた障子につかまッて、出るでも無く出ないでもなく、唯此方こっちへ背を向けて立在たたずんだままで坐舗のうちのぞき込んでいる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
 寛平法皇の(帝の御父)御心には時平のにんのぞき 菅神御一人に国政をまかせ玉はんとのおぼしめしありしに、延喜元年正月三日
急に、大地は眼のまえでれている。暗い空に岩角の線がうっすらうねっている。そこからのぞけば絶壁であろうことは疑うまでもない。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そんなのぞみしかないこと、いえ、なんの希みもないという身の凍るような、あまりの空白に目がつぶれてしまうような事実に、ほとんど恍惚としていました。
軍国歌謡集 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
其度毎そのたびごとに渦を巻いたり白い泡を立てたりして、矢のようにはしる川がちょいちょい脚の下にのぞまれる。峡勢窄迫さっぱくして、黒部川特有の廊下がそろそろ始まったのだ。
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
わしは心からそうなることをどれほど希望のぞんでいるか知れぬ。しかしわしのこの希望のぞみは容易のことではとげられそうもない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうした水にのぞんで、仏岩ホトケイワという巨岩がそびえ、それに寄せてささやかな休み茶屋がある。壁にかかったいろいろな獣の皮が、主じの生業を物語っている。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
けた少時しばし竹藪たけやぶとほしてしめつたつちけて、それから井戸ゐどかこんだ井桁ゐげたのぞんで陰氣いんきしげつた山梔子くちなしはな際立はきだつてしろくした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かくの如くにして選挙されたる議員の帝国議会に於ける態度は実に立派なもので、これに対しては当局者も充分なる敬意を払ってのぞんだ。
選挙人に与う (新字新仮名) / 大隈重信(著)
すわった瞳で、じっと見るや、両手に持った駒下駄をたすきがけに振ったので、片手は源次が横顔を打って退のぞけ、片手は磨硝子すりがらすの戸を一枚微塵みじんに砕いた、蝶吉は飜って出たと思うと
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
唯だその障碍をのぞき、学者をして学問の実体を講ずるの力をゆたかならしむるものに至らば、在野の人といえどたその責を分たざるを得ず(謹聴、喝采)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
そもそも、学問を独立せしむるの要術、甚だうし。然れども、今日の事たる、つとめて学者をして講学の便宜を得せしめ、勉めてその講学の障碍しょうがいのぞくより切なるはなし(謹聴、拍手)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
囃子方はやしかたに新という者あり。宵よりでていまだ小屋にかえらざれば、それかと白糸は間近に寄りて、男の寝顔をのぞきたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かく言いつつ珍しげに女のおもてのぞきぬ。白糸はさっとあからむ顔をそむけつつ
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その時に孃子をのぞいて御覽になると大蛇でした。そこで見て畏れて遁げました。
伯爵家から籍を削除のぞけば、そこではじめて平民になるのゆえ自然宮内省は管轄外となるのだとも噂された。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
それがわかってのぞかれたら、どんなにさっぱりするだろうと思った。天候のせいも、すこしはあるかもしれなかった。このごろの江戸の暑さといったら、なかった。
あの顔 (新字新仮名) / 林不忘(著)
……相手をほふるということは、俺の体にまつわっている、呪詛のろい取去のぞくということになる。相手に屠られるということは、呪詛に食われるということになる。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
のぞかわき、くろぶしやけて
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
若しそれらを彼が本当にその詩を書いたのち綺麗きれいさっぱりとのぞき去ってしまったなら、その詩人はひょっとしたらその詩をきっかけに、だんだん詩なんぞは書かなくなるのではないか
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
勿論、雪之丞とても、人、今夜、これから自らがのぞむべき危険を想像すると、一種の胸さわぎのようなものは感じるのだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
熾盛さかんな青春の時代ときよに逢ひ乍ら、今迄経験であつたことも無ければ翹望のぞんだことも無い世の苦といふものを覚えるやうに成つたか、と考へると
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
山口屋善右衞門はたくへ帰って見ると此の騒ぎですから、直ぐに医者を呼びにやりまして八右衞門を療治して貰い、表から此様こんな所をのぞき込まれてはならんからと云うので
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかるに故栗田寛先生はこの説を採らず、その新撰姓氏録考証において、「間人の意未だ考へ得ず」と記るされ、慎重なる態度を採って、所謂その疑わしきをのぞいておられるのである。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
だから真面目に働いて、一揆をどうにか成功させ、その百姓の辛苦の一部を、除去のぞいてやろうと苦心惨憺、指揮する山県大蔵の行為が、彼には馬鹿らしく見えるのであった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
送って「穿入京城五彩雲。昂然野鶴出雞羣。除非乞詔僧文覚。千歳寥寥独有君。」〔穿入ス京城五彩ノ雲/昂然トシテ野鶴雞羣ヲ出ヅ/ただ詔ヲ乞ヒシ僧文覚ヲのぞケバ/千歳寥寥トシテ独リ君有ルノミ〕の絶句を
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)