退のぞ)” の例文
貴女はあらゆる望みを胸中より退のぞいて、終生の願いを安心立命しなければいけない。それこそ貴女が天から受けた本質なのだから
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
すわった瞳で、じっと見るや、両手に持った駒下駄をたすきがけに振ったので、片手は源次が横顔を打って退のぞけ、片手は磨硝子すりがらすの戸を一枚微塵みじんに砕いた、蝶吉は飜って出たと思うと
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)