“うか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウカ
語句割合
45.8%
44.4%
3.9%
迂闊1.1%
0.8%
0.8%
羽化0.8%
宇迦0.6%
0.6%
0.3%
迂濶0.3%
雨下0.3%
鵜飼0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
振返ると背面の入江は幾百の支那ジヤンクをうかべて浅黄色に曇つたのが前面のせはしげな光景とちがつて文人画の様な平静を感ぜしめる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
やまおきならんでうかこれも無用なる御台場おだいば相俟あひまつて、いかにも過去すぎさつた時代の遺物らしく放棄された悲しいおもむきを示してゐる。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「お金がありゃア尚いいねえ。楽な生活くらしが出来るんだからねえ……ほんとにお前さんにあるかしら?」うかがうような調子である。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何か只ならぬことが突発したために、こう寂然ひっそりとなったのではないか知ら。こんなときに迂闊うかと身じろきをしてこの静寂を掻き乱したら大変だ、というような気もした。
空家 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
京に入りてより、嘲風氏に聞き、竹風君と話して彼が性行の一端をうかがひ、逢ふて詩談を交へんとするの情あり。我仙台に入るや、招かれて一夜大町おほまちの居にこの幸福なる詩人を訪ふ。(未完)
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして、彼女はロシア語が出来るのに、ひとことも口をきかないで、ちょっとした身ぶりで、それを差しあげますという意味を示し、その瞬間ちらりと何とも云えない笑いを口辺にうかべた。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
けれども惜しい事に本文は挿画ほどに行かなかった。中には欲のかたまり羽化うかしたような俗な仙人もあった。それでも読んで行くうちには多少気に入ったのもできてきた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして、国の神のかしらになって、宇迦うかの山の下に御殿ごてんをおたてになり、須勢理媛すぜりひめと二人で楽しくおくらしになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
なんだか先刻さつきから、そばうかがつてると、貴方あなたの方が余っ程御得意の様よ」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それまでの薄暗い遊廓くるわ裏の道を捨てて、三筋のうちでもいちばん繁華な総門の通りへ出て来ると、そこをぞめき歩いている人影の中に、彼のすがたも、一個のうかのようにまぎれてしまう。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女あいつめ焼物が分りそうな振りをするものだから、つい迂濶うかとひっかかった。こんな事ではとても性根を掴むことはできん——今度からはごまかされぬ要慎をしてかかるぞ」
嫁取り二代記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ために、身は乱刀らんとう雨下うかに寸断せられたが、心の独立はついにおかされなかった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
岐阜は鵜飼うかいで有名だが、料理して食わす段では、はなはだ心もとない。将来は生きのいいところを、鵜匠がその場で見物客に食わす考えを持つべきである。
鮎の名所 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)