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浮
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うか
ふりがな文庫
“
浮
(
うか
)” の例文
すると
其時
(
そのとき
)
夕刊
(
ゆふかん
)
の
紙面
(
しめん
)
に
落
(
お
)
ちてゐた
外光
(
ぐわいくわう
)
が、
突然
(
とつぜん
)
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
に
變
(
かは
)
つて、
刷
(
すり
)
の
惡
(
わる
)
い
何欄
(
なにらん
)
かの
活字
(
くわつじ
)
が
意外
(
いぐわい
)
な
位
(
くらゐ
)
鮮
(
あざやか
)
に
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
へ
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
た。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
振返ると背面の入江は幾百の支那ジヤンクを
浮
(
うか
)
べて浅黄色に曇つたのが前面の
忙
(
せは
)
しげな光景と
異
(
ちが
)
つて文人画の様な平静を感ぜしめる。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
例の
優
(
やさ
)
しい表情を眼に
浮
(
うか
)
べて、わたしにこうささやいたのだ、——「今夜八時に、うちへいらっしゃいね、よくって、きっとよ……」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
こんな
歌
(
うた
)
になると、
自由
(
じゆう
)
で
浮
(
うか
)
れるような
調子
(
ちようし
)
が、ぴったりともりを
衝
(
つ
)
く
鯨船
(
くぢらぶね
)
のすばやい
動作
(
どうさ
)
を
表
(
あらは
)
すに
適當
(
てきとう
)
してゐるではありませんか。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
其
(
そ
)
れが
頻
(
しき
)
りに
交代
(
かうたい
)
されるので、
卯平
(
うへい
)
は一
度
(
ど
)
しか
郷里
(
きやうり
)
の
土
(
つち
)
を
踏
(
ふ
)
まなくても
種々
(
しゆ/″\
)
の
變化
(
へんくわ
)
を
耳
(
みゝ
)
にした。
彼
(
かれ
)
は一
番
(
ばん
)
おつぎのことが
念頭
(
ねんとう
)
に
浮
(
うか
)
ぶ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
が、
家
(
うち
)
の
門
(
もん
)
をはひらない
前
(
まへ
)
に、
彼
(
かれ
)
はからつぽになつた
財布
(
さいふ
)
の
中
(
なか
)
と
妻
(
つま
)
の
視線
(
しせん
)
を
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
べながら、その
出來心
(
できごころ
)
を
少
(
すこ
)
し
後悔
(
こうくわい
)
しかけてゐた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
もう二十年以上も前のことであるが、あの時の状景は今でもありありと思い
浮
(
うか
)
べることが出来る。
勿論
(
もちろん
)
全く根も葉もない流言であった。
流言蜚語
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
お日さまの光が、ガラスの天井からさしこんできて、水の上や、大きな
水盤
(
すいばん
)
に
浮
(
うか
)
んでいる美しい水草を、キラキラと照らしていました。
人魚の姫
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
いやいや
迂闊
(
うかつ
)
な事は出来ない。私は涙ぐんで来た。大阪駅に出迎えている筈の友人の
咎
(
とが
)
めるような残念そうな顔が眼の前に
浮
(
うか
)
んで来た。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
叔母の
肩
(
かた
)
をば
揉
(
も
)
んでいる
中
(
うち
)
、夜も
大分
(
だいぶ
)
に
更
(
ふ
)
けて来たので、源三がつい
浮
(
うか
)
りとして
居睡
(
いねむ
)
ると、さあ恐ろしい
煙管
(
きせる
)
の
打擲
(
ちょうちゃく
)
を受けさせられた。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
三千代
(
みちよ
)
の顔を
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
に
浮
(
うか
)
べやうとすると、顔の輪廓が、まだ出来
上
(
あが
)
らないうちに、此
黒
(
くろ
)
い、
湿
(
うる
)
んだ様に
暈
(
ぼか
)
された
眼
(
め
)
が、ぽつと
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
話けるに吉兵衞心に
驚
(
おどろ
)
き夫は
何時頃
(
いつごろ
)
の事なるやと
尋問
(
たづね
)
ければ和尚は
指折算
(
ゆびをりかぞ
)
へ元祿二年九月の事なりと聞より吉兵衞は涙を
浮
(
うか
)
べ其子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一
緒
(
しよ
)
に
飯
(
めし
)
なぞ
食
(
た
)
べると、
彼
(
かれ
)
はいつでも
心
(
こゝろ
)
の
空虚
(
くうきよ
)
を
訴
(
うつた
)
へるやうな
調子
(
てうし
)
でありながら、さう
言
(
い
)
つて
寂
(
さび
)
しい
顔
(
かほ
)
に
興奮
(
こうふん
)
の
色
(
いろ
)
を
浮
(
うか
)
べてゐた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
で、長者は奴隷の体に傷をつけないで、
懲
(
こ
)
らしめになる苦しい刑罰はないかと考えました。そして、長者の頭に一つの考えが
浮
(
うか
)
みました。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
電話のベルが廊下のあなたに三度四度と鳴らされて行きました。「
坩堝
(
るつぼ
)
に
滾
(
たぎ
)
りだした」不図こんな言葉が何とはなしに
脳裡
(
のうり
)
に
浮
(
うか
)
びました。
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
更に岸を
下
(
くだ
)
つて
水上
(
すゐじやう
)
に
浮
(
うか
)
び
鴎
(
かもめ
)
と共にゆるやかな波に
揺
(
ゆ
)
られつゝ
向
(
むかう
)
の岸に達する
渡船
(
わたしぶね
)
の愉快を容易に了解する事が出来るであらう。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
処へ縁と云うものは妙なもので、
彼
(
か
)
の紀伊國屋の伊之助が髪結の長次を連れて、
八重花
(
やえはな
)
と呼ぶ花魁のところへ
浮
(
うか
)
れに参りました。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
蜥蜴
(
とかげ
)
の
鉛筆
(
えんぴつ
)
を
軋
(
きし
)
らす
音
(
おと
)
、
壓潰
(
おしつぶ
)
されて
窒息
(
ちつそく
)
した
豚
(
ぶた
)
、
不幸
(
ふかう
)
な
海龜
(
うみがめ
)
の
絶
(
た
)
えざる
歔欷
(
すゝりなき
)
とがゴタ/\に
其處
(
そこ
)
いらの
空中
(
くうちゆう
)
に
浮
(
うか
)
んで
見
(
み
)
えました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そして、生命力の薄い、物に
浮
(
うか
)
れ
易
(
やす
)
い兄は、到底弟のこの本能の一徹な慾求を理解もし負担もしてやる力はないのだと思つた。
過去世
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
あっさりとさばけた
態度
(
たいど
)
で、そう
言
(
い
)
われましたので、
私
(
わたくし
)
の
方
(
ほう
)
でもすっかり
安心
(
あんしん
)
して、
思
(
おも
)
い
浮
(
うか
)
ぶまま
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
にいろいろな
事
(
こと
)
をおききしました
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
(
何故
(
なぜ
)
だらう、これは
鋸
(
のこぎり
)
で
挽
(
ひ
)
く
所爲
(
せゐ
)
だ、)と
考
(
かんが
)
へて、
柳
(
やなぎ
)
の
葉
(
は
)
が
痛
(
いた
)
むといつたお
品
(
しな
)
の
言
(
ことば
)
が
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
ぶと、
又
(
また
)
木屑
(
きくづ
)
が
胸
(
むね
)
にかゝつた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
空には白い雲が
浮
(
うか
)
び、鳥は高く飛んでるけれども、時間は流れて人を待たず、自分は次第に老いるばかりになってしまったという
咏嘆
(
えいたん
)
である。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
都の
浮
(
うか
)
れ
女
(
め
)
は、せめてわたくしたちの幸福にあやかりたいと、名前までも祇一、祇二、祇福、祇徳などと争って改めてみたものでございます。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いくらまじめに
眺
(
なが
)
めていても、そんな
巨
(
おお
)
きなちょうざめは、泳ぎも
浮
(
うか
)
びもしませんでしたから、しまいには、リチキは大へん軽べつされました。
毒もみのすきな署長さん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其
(
その
)
擧動
(
ふるまひ
)
のあまりに
奇怪
(
きくわい
)
なので
私
(
わたくし
)
は
思
(
おも
)
はず
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かたむ
)
けたが、
此時
(
このとき
)
何故
(
なにゆゑ
)
とも
知
(
し
)
れず
偶然
(
ぐうぜん
)
にも
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
た
一
(
ひと
)
つの
物語
(
ものがたり
)
がある。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
とソフアに
掛
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
たオックスフオード
出身
(
しゆつしん
)
の
紳士
(
しんし
)
が
身
(
み
)
を
起
(
おこ
)
して
聞
(
き
)
いた。
其口元
(
そのくちもと
)
には
何
(
なん
)
となく
嘲笑
(
あざけり
)
の
色
(
いろ
)
を
浮
(
うか
)
べて
居
(
ゐ
)
る。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
……そんな
空
(
むな
)
しい努力の後、やっと私の頭に
浮
(
うか
)
んだのは、あのお
天狗
(
てんぐ
)
様のいる
丘
(
おか
)
のほとんど頂近くにある、あの
見棄
(
みす
)
てられた、古いヴィラであった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
余は思うともなく今年一年の出来事をさま/″\と思い
浮
(
うか
)
べた。身の上、家の上、村の上、自国の上、外国の上、さま/″\と事多い一年であった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
私は、涙を流し放題に流して、
地
(
じ
)
だんだをふまないばかりにせき立てて、震える手をのばして妹の頭がちょっぴり水の上に
浮
(
うか
)
んでいる方を指しました。
溺れかけた兄妹
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
そしてまち
子
(
こ
)
は
自分
(
じぶん
)
が
何
(
なん
)
の
爲
(
た
)
めに、いつとも
知
(
し
)
れずこんな
足
(
あし
)
になつたのだらうか、といふ
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へてると、いつの
間
(
ま
)
にか
涙
(
なみだ
)
が
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
てならなかつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
初
(
はじ
)
めちょっと
彼
(
かれ
)
には
前院長
(
ぜんいんちょう
)
に
気
(
き
)
が
付
(
つ
)
かぬようであったがやがてそれと
見
(
み
)
て、その
寐惚顔
(
ねぼけがお
)
には
忽
(
たちま
)
ち
冷笑
(
れいしょう
)
が
浮
(
うか
)
んだので。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「いや、社長に話してあります。社長丈けは僕の心持が分っています。『団君、君には申訳がないな』と言ってくれました。この一言で僕は
浮
(
うか
)
ばれます」
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
に
海上
(
かいじよう
)
に
浮
(
うか
)
んでゐる
船舶
(
せんぱく
)
には
其存在
(
そのそんざい
)
又
(
また
)
は
進行
(
しんこう
)
が
分
(
わか
)
りかねる
場合
(
ばあひ
)
が
多
(
おほ
)
い。
但
(
たゞ
)
しそれが
海岸
(
かいがん
)
に
接近
(
せつきん
)
すると、
比較的
(
ひかくてき
)
に
急
(
きゆう
)
な
潮
(
うしほ
)
の
干滿
(
かんまん
)
となつて
現
(
あらは
)
れて
來
(
く
)
る。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
浮
(
うか
)
れ
女
(
め
)
の群れに入って
東国
(
あずま
)
まで漂泊したか、いずれ泥水の中に暗い月日も送ったことであろうに、梢の顔にはそうした過去の陰影はすこしも見られない。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
青
(
あを
)
い
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
には、
三十石船
(
さんじつこくぶね
)
がゆつたりと
浮
(
うか
)
んで、
晴
(
は
)
れた
冬空
(
ふゆぞら
)
の
弱
(
よわ
)
い
日光
(
につくわう
)
を、
舳
(
とも
)
から
艫
(
みよし
)
へいツぱいに
受
(
う
)
けてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
三日月
(
みかづき
)
なりに
切
(
き
)
ってある、
目
(
め
)
にいれたいくらいの
小
(
ちい
)
さな
爪
(
つめ
)
を、
母指
(
おやゆび
)
と
中指
(
なかゆび
)
の
先
(
さき
)
で
摘
(
つま
)
んだまま、ほのかな
月光
(
げっこう
)
に
透
(
すか
)
した
春重
(
はるしげ
)
の
面
(
おもて
)
には、
得意
(
とくい
)
の
色
(
いろ
)
が
明々
(
ありあり
)
浮
(
うか
)
んで
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そも/\
流
(
なが
)
れに
塵
(
ちり
)
一ツ
浮
(
うか
)
びそめし
初
(
はじ
)
めにて、
此心
(
このこゝろ
)
更
(
さら
)
に
追
(
お
)
へども
去
(
さ
)
らず、
澄
(
す
)
まさんと
思
(
おも
)
ふほど
掻
(
か
)
きにごりて、
眞如
(
しんによ
)
の
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
は
何處
(
いづく
)
、
朦々朧々
(
もう/\ろう/\
)
の
淵
(
ふち
)
ふかく
沈
(
しづ
)
みて
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と、不意に、(意見せられて、さし
俯向
(
うつむ
)
いて——)という、おけさの一節が、頭に
浮
(
うか
)
びました。(泣いていながら
主
(
ぬし
)
のこと)なにか
訴
(
うった
)
えるものが欲しかった。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「イヤこれはこれは、今日は
全家
(
うちじゅう
)
が出払って余り
徒然
(
つれづれ
)
なので、番茶を
淹
(
い
)
れて
単
(
ひと
)
りで
浮
(
うか
)
れていた処サ。」と。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
ベンヺ
其
(
その
)
風
(
かぜ
)
に
似
(
に
)
た
浮
(
うか
)
れ
話
(
ばなし
)
に、
大分
(
だいぶん
)
の
時
(
とき
)
が
潰
(
つぶ
)
れた。ようせぬと、
夜會
(
やくわい
)
が
果
(
は
)
てゝ、
時後
(
ときおく
)
れになってしまはう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
今でも、その折の彼女の一語一語を、まざまざと思い
浮
(
うか
)
べることが出来る程である。だが、ここには、この物語の為には、彼女の身の上話を
悉
(
ことごと
)
くは記す必要がない。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
浮
(
うか
)
ぶ
瀬
(
せ
)
がないので、
味噌
(
みそ
)
とか、ゴマのようなものを混ぜて買って来ては、結構
利潤
(
りじゅん
)
がのぼっていた。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
己が母の乳を棄て、
思慮
(
こゝろ
)
なく、
浮
(
うか
)
れつゝ、好みて自ら己と戰ふ
羔
(
こひつじ
)
のごとく爲すなかれ。 八二—八四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それから三千
年
(
ねん
)
前
(
ぜん
)
の
往古
(
わうこ
)
を
考
(
かんが
)
へながら、
寐
(
しん
)
に
就
(
つ
)
くと、
不平
(
ふへい
)
、
煩悶
(
はんもん
)
、
何等
(
なんら
)
の
小感情
(
せうかんじやう
)
は
浮
(
うか
)
ぶなく、
我
(
われ
)
も
太古
(
たいこ
)
の
民
(
たみ
)
なるなからんやと
疑
(
うたが
)
はれる
程
(
ほど
)
に、
安
(
やす
)
らけき
夢
(
ゆめ
)
に
入
(
い
)
るのである。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
斯
(
こ
)
う云いながら、巡査は無闇に松明を
振廻
(
ふりまわ
)
すと、火の光は
偶中
(
まぐれあた
)
りに岩蔭へ落ちて、
燦
(
さん
)
たる
金色
(
こんじき
)
の星の如きものが
暗
(
やみ
)
に
浮
(
うか
)
んだ。が、あれと云う間に又
朦朧
(
もうろう
)
と消えて
了
(
しま
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その山の上には白い
雲
(
くも
)
が
浮
(
うか
)
んでいて、さらにその上
遠
(
とお
)
くに、大空が
円
(
まる
)
くかぶさっていました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
海河の神たちに悉く
幣帛
(
へいはく
)
を奉り、わたしの
御魂
(
みたま
)
を
御船
(
みふね
)
の上にお祭り申し上げ、木の灰を
瓠
(
ひさご
)
に入れ、また
箸
(
はし
)
と皿とを澤山に作つて、悉く大海に
散
(
ち
)
らし
浮
(
うか
)
べてお
渡
(
わた
)
りなさるがよい
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
潮
(
しほ
)
満
(
み
)
てば
水沫
(
みなわ
)
に
浮
(
うか
)
ぶ
細砂
(
まなご
)
にも
吾
(
われ
)
は
生
(
い
)
けるか
恋
(
こ
)
ひは
死
(
し
)
なずて 〔巻十一・二七三四〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
武矦
(
ぶこう
)
、
西河
(
せいが
)
に
浮
(
うか
)
びて
下
(
くだ
)
る、
中流
(
ちうりう
)
にして
顧
(
かへり
)
みて
呉起
(
ごき
)
に
謂
(
い
)
つて
曰
(
いは
)
く、『
美
(
び
)
なる
哉乎
(
かな
)
、
山河
(
さんが
)
の
固
(
かた
)
め、
此
(
こ
)
れ
魏國
(
ぎこく
)
の
寶也
(
たからなり
)
』と。
起
(
き
)
、
對
(
こた
)
へて
曰
(
いは
)
く、『((國ノ寶ハ))
徳
(
とく
)
に
在
(
あ
)
りて
險
(
けん
)
に
在
(
あ
)
らず。 ...
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「私や子供のために、こんなに
痩
(
や
)
せながら
働
(
はたら
)
かなければならないのだなんて、
恩
(
おん
)
にばつかり
被
(
き
)
せてゐるのよ。」と仰言つたあなたの美しい寂しい
笑顏
(
ゑがほ
)
を、私は今思ひ
浮
(
うか
)
べてゐます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
浮
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
“浮”を含む語句
浮雲
浮標
浮出
浮々
浮木
浮腫
浮浪者
浮彫
浮上
浮浪
浮気
浮沈
浮島
浮華
浮城
浮気者
浮脂
浮世
浮舟
浮橋
...