“浮雲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あぶな28.1%
うきぐも21.9%
ふうん18.8%
あぶね9.4%
あぶ9.4%
うきくも6.3%
あぶの3.1%
むらくも3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうして一方手を尽くして、貨幣の持主を探したのだ。そうして彼女を目つけ出したのだ。……浮雲あぶない浮雲い彼女は浮雲い!
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
空には今日も浮雲うきぐも四抹しまつ、五抹。そして流行着のマネキンを乗せたロンドンがよいの飛行機が悠長ゆうちょうに飛んで行く。
巴里の秋 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
げふとして暫く此山中に住居しが次第々々に同氣どうき相求あひもとむる手下の出來いできしかば今は三十一人の山賊さんぞく張本ちやうほんとなり浮雲ふうんとみに其日を送りける然るに一年ひととせ上方に住し折柄をりから兄弟のやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
浮雲あぶねえ! 馬鹿!」とこの時初めて甚太郎はにくののしったが、さすがに呼吸いきは苦しそうである。しかし黐棹は握っていた。余裕のあった証拠である。熔岩の背後は絶壁である。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
立去りつゝやれ/\危き目にあふものかな何さま親父殿や兄貴あにきは夜道は浮雲あぶなき故朝立にせよと言れしは今こそ思ひ當りたれと後悔こうくわいなして急ぎけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
仰付られしが一同とも神妙しんめうに致し居る樣申付くべしとの言葉に三人は平伏へいふくして御意の趣き委細ゐさい承知仕れりまことに月に浮雲うきくもさはり花に暴風ばうふううれひ天下の御爲忠義を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「市之丞様お逃げなさりませ! 浮雲あぶのうござります、お逃げなさりませ!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これがのぞみどおり円満えんまんおさまればなん世話せわはないのでございますが、つき浮雲むらくもはなかぜとやら、なに両家りょうけあいだ事情じじょうがあって、二人ふたりうあっても一しょになることができないのでした。