トップ
>
窺
>
うか
ふりがな文庫
“
窺
(
うか
)” の例文
ブル/\
慄
(
ふる
)
えて居る新吉に構わず、
細引
(
ほそびき
)
を取って
向
(
むこう
)
の柱へ結び付け、惣右衞門の側へ来て寝息を
窺
(
うか
)
がって、起るか起きぬか
試
(
ためし
)
に小声で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お金がありゃア尚いいねえ。楽な
生活
(
くらし
)
が出来るんだからねえ……ほんとにお前さんにあるかしら?」
窺
(
うか
)
がうような調子である。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
敬太郎は宿の上り口の正面にかけてある時計を見るふりをして、二階の
梯子段
(
はしごだん
)
の中途まで降りて下の様子を
窺
(
うか
)
がった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分はぎょっとして起あがろうとしたが、直ぐ
其処
(
そこ
)
に近づいて来たのでそのまま身動きもせず様子を
窺
(
うか
)
がっていた。人々は全たく
此処
(
ここ
)
に人あることを気がつかぬらしい。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
千恵はわざわざ二階へ降りるのに東側の階段を使つたりして、なるべく廊下の往き来を
頻繁
(
ひんぱん
)
にして、再び姉さまの姿をよそながら見る機会を、ひそかに
窺
(
うか
)
がつてゐました。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
▼ もっと見る
さうだとすれば、昨日の晩も、一昨日の晩も、夜な/\此の二階の窓の近くへ忍び寄つて、入れて貰はうかどうしようかと
躊躇
(
ためら
)
ひながら、中の様子を
窺
(
うか
)
がつてゐたのかも知れない。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
叫んだが、権叔父すら度を失って、武蔵の顔を
窺
(
うか
)
がっているにとどまる。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仁右衛門は
息気
(
いき
)
を殺して出て来る人々を
窺
(
うか
)
がった。場主が帳場と一緒に、後から笠井に
傘
(
かさ
)
をさしかけさせて出て行った。労働で若年の肉を
鍛
(
きた
)
えたらしい
頑丈
(
がんじょう
)
な場主の姿は、
何所
(
どこ
)
か人を
憚
(
はば
)
からした。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
窺
(
うか
)
がへば折節本陣より
侍
(
さぶら
)
ひ一人出來りぬれば
進
(
すゝ
)
み寄て天一坊樣には明日は
御逗留
(
ごとうりう
)
なるや又は
御發駕
(
ごはつが
)
に相成やと問けるに彼の侍ひ答て天一坊樣には明日は
當所
(
たうしよ
)
に御逗留の積なりとぞ答へたり
是
(
これ
)
は伊賀亮が兼ての
工
(
たくみ
)
にて若も酒井家より明日の
出立
(
しゆつたつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
金田君は探偵さえ付けて主人の動静を
窺
(
うか
)
がうくらいの程度の良心を有している男だから、吾輩が偶然君の談話を拝聴したって
怒
(
おこ
)
らるる
気遣
(
きづかい
)
はあるまい。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ご貴殿森の向こう側へ行き、馬に乗って通る旅人の様子を、それとなく
窺
(
うか
)
がってくださるよう」
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そのまま役所通ひをしながら形勢を
窺
(
うか
)
がつてゐると、やがて華北交通から来ないかと言つて来た。最初の仕事は、
北京
(
ペキン
)
の郊外あたりに鉄道病院みたいなものを作るのだといふ。
夜の鳥
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
さうだとすれば、昨日の晩も、一昨日の晩も、夜な/\此の二階の窓の近くへ忍び寄つて、入れて貰はうかどうしようかと
躊躇
(
ためら
)
ひながら、中の様子を
窺
(
うか
)
がつてゐたのかも知れない。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
いよいよ来たな、こうなってはもう駄目だと
諦
(
あき
)
らめて、
襖
(
ふすま
)
と
柳行李
(
やなぎごうり
)
の間にしばしの間身を忍ばせて動静を
窺
(
うか
)
がう。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうだとすれば、昨日の晩も、一昨日の晩も、夜な夜なこの二階の窓の近くへ忍び寄って、入れて貰おうかどうしようかと
躊躇
(
ためら
)
いながら、中の様子を
窺
(
うか
)
がっていたのかも知れない。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
もし我々の趣味がいわゆる人格の大部を構成するものと
見傚
(
みな
)
し得るならば、作を通して著者自身の
面影
(
おもかげ
)
を
窺
(
うか
)
がう事ができると云っても
差
(
さ
)
し
支
(
つかえ
)
ないでありましょう。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は男が乗り換えさえすれば、自分も早速降りるつもりで、停留所へ来るごとに男の様子を
窺
(
うか
)
がった。男は
始終
(
しじゅう
)
隠袋
(
かくし
)
へ手を突き込んだまま、多くは自分の正面かわが
膝
(
ひざ
)
の上かを見ていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
玄関には
西洋擬
(
せいようまが
)
いの
硝子戸
(
ガラスど
)
が二枚
閉
(
た
)
ててあったが、頼むといっても、
電鈴
(
ベル
)
を押しても、取次がなかなか出て来ないので、
敬太郎
(
けいたろう
)
はやむを得ずしばらくその
傍
(
そば
)
に立って内の様子を
窺
(
うか
)
がっていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
窺
漢検準1級
部首:⽳
16画
“窺”を含む語句
窺知
窺見
窺視
差窺
窺窬
窺伺
窺寄
窺得
窺測
窺覗
窺込
管窺
自能窺宋玉