あや)” の例文
そして其の着手着意の處を知り得て過たずに、實作實效の境に處し得てあやまらざらんことを人も我も欲するのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
今年ことし——大正七年に彼女は四十四歳になるが、この上の平和と幸福とは重なろうとも、彼女の身辺に冷たい風のせまろうはずはない。私が彼女は幸福だといっても、あやまった事ではなかろうと思う。
竹本綾之助 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
堅田の祐菴は水の味を知るに於てくはし。琵琶湖の水、甲処に於て汲む者と乙処に於て汲む者とを弁じてあやまらざりしといふ。茶博士たるもの、まことに是の如くなるべき也。
(新字旧仮名) / 幸田露伴(著)