“錯落”の読み方と例文
読み方割合
さくらく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自然石じねんせき形状かたち乱れたるを幅一間に行儀よく並べて、錯落さくらくと平らかに敷き詰めたるこみちに落つる足音は、甲野こうのさんと宗近むねちか君の足音だけである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
このあざみ谷は旧噴火口の跡なので道の両側には無数の熔岩が、大小錯落さくらくとして横たわっているが、霧が深いのと、年代を経ているので、ことごと苔蒸こけむ
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
先生作る所の小説戯曲随筆等、長短錯落さくらくとして五百余編。けいには江戸三百年の風流を呑却どんきやくして、万変自ら寸心に溢れ、には海東六十州の人情を曲尽して、一息忽ち千載に通ず。
「鏡花全集」目録開口 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)