“錯々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せっせ50.0%
せつせ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何につかってもいような金が二百円ばかりあった。彼女の為とあらば、錯々せっせと働いて得た報酬も惜しくない。どうかしてその金を費おうと思った。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
二人は腰に差した鎌を取出して、時々鍬に附着する土を掻取かきとって、それから復た腰をこごめて錯々せっせとやった。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その板の間の片隅にはたが置いてありました。私が表の方から古い大きな門を入つて玄關前の庭に遊んで居りますと、母が障子の影に腰掛けて錯々せつせをさの音をさせたものでした。
例の窓からは往來を隔てゝ時計屋の店頭みせさきが見えます。白い障子の箝硝子はめガラスを通して錯々せつせと時計を磨いて居る亭主の容子ようすが見えます。その窓の下へは時折來て聲を掛ける學校の友達もありました。