“せつせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
孜々44.4%
錯々22.2%
精々22.2%
踖々11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
學年の初めは諸帳簿の綴變とぢかへやら、前年度の調べ物の殘りやらで、雜務が仲々多い。四人はこれといふ話もなく、十二時が打つまでも孜々せつせとそれを行つてゐた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
例の窓からは往來を隔てゝ時計屋の店頭みせさきが見えます。白い障子の箝硝子はめガラスを通して錯々せつせと時計を磨いて居る亭主の容子ようすが見えます。その窓の下へは時折來て聲を掛ける學校の友達もありました。
しかし難しいと言つて放つて置いては、猶々出来ないから、写生なり何なりして、精々せつせとその状態を研究するやうにする。
小説新論 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
何が辛いと言つたつて、用が無くて生きて居るほど世の中に辛いことは無いね。家内やなんかが踖々せつせと働いて居る側で、自分ばかり懐手ふところでして見ても居られずサ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
古びた上被うはつぱり、茶色の帯、盲目縞めくらじま手甲てつかふ、編笠に日をけて、身体を前後に動かし乍ら、踖々せつせと稲の穂を扱落こきおとして居る。信州北部の女はいづれも強健つよい気象のものばかり。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)