“せいせい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
清々26.0%
晴々17.1%
青々9.8%
生々8.9%
萋々5.7%
爽々3.3%
生生3.3%
菁々3.3%
整々2.4%
済々2.4%
声々1.6%
惺々1.6%
清清1.6%
井々0.8%
喘々0.8%
征西0.8%
整斉0.8%
整正0.8%
整齊0.8%
斉々0.8%
正々0.8%
清靜0.8%
生棲0.8%
盛世0.8%
精々0.8%
精製0.8%
精誠0.8%
霽々0.8%
青青0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
茶を熱く入れてかおりのよいところを御二人へ上げましたら、奥様も乾いた咽喉のどしめして、すこしは清々せいせいとなすったようでした。急に、表の方で
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
鼠色ねずみいろの空はどんよりとして、流るる雲もなんにもない。なかなか気が晴々せいせいしないから、一層いっそ海端うみばたへ行って見ようと思って、さて、ぶらぶら。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
経費なんかはどうでもなれという気になって、東奔西走しているうちに妙なものだね。到る処の漁村の背後に青々せいせい渺茫びょうぼうたる水田が拡がって行った。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もし短いあいだの無事ばかり祈って、その怒りをやたらに抑えてゆくと、土壌は去勢きょせいされて、万物を生々せいせいと繁茂させる力を失う。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
コルトンの死骸の横っていた共同椅子の辺には、青草が知らず顔に萋々せいせいと伸びている。倫敦は軈て芳香かおり高い薔薇の咲く頃となった。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
それでも入らぬよりましと笑って、我慢がまんして入った。夏になってから外で立てた。いども近くなったので、水は日毎に新にした。青天井あおてんじょうの下の風呂は全く爽々せいせいして好い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
折から野原は一時に青草で満たされ、そうしてその間に緑葉菁々せいせいと生い茂るのであるから、人の心も何となく長閑のどかになって野外の散歩を試みずには居られない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
先触れのあった日、油江口の岸には、兵船をならべ、軍馬兵旗を整々せいせいと立てて、周瑜の着くのを待っていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宇都宮弥三郎頼綱が家の子郎党を従えて、済々せいせいとして武蔵国を通ると、熊谷の入道直実に行き会うた。直実がそれを見て
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
絃々げんげんおさえ 声々せいせいおも
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただそくも養うあり、しゅんも存することあり、この心惺々せいせい明々めいめいとして、天理一息の間断なくして、わずかにこれよく昼を知るなり。これすなわちこれ天徳てんとくにして、すなわちこれ昼夜の道に通じて知るなり。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
それに、木に登っていると、気が清清せいせいして地上にいるよりも、何ともいえない特別な高いような、自由で偉くなったような気がするのであった。
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
渡頭ととう人稀ニ白鷺雙々そうそう、舟ヲかすメテ飛ビ、楼外花尽キ、黄鸝こうり悄々しょうしょう、柳ヲ穿うがツテ啼ク。籊々てきてきノ竿、漁翁雨ニ釣リ、井々せいせいノ田、村女烟ニ鋤ス。一檐いちえんノ彩錦斜陽ニ映ズルハ槖駝たくだ芍薬しゃくやくヲ売ルナリ。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
息もできぬほど、みぎ、ひだり、と斬りきざんで来る。それさえ、受け太刀ぎみで喘々せいせいいっていると、そこへ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち、この日魏軍は、神威しんい将軍董禧とうき征西せいせい将軍薛則せっそくの二手に、おのおの二万騎を付して、ふかく潜んでいたのだった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水流の場合には一般に流線の広がる時に擾乱じょうらんが起こるが流線が集約する時にはそれが整斉せいせいされる、あれと似たことがありはしないかとも考えられる。
自然界の縞模様 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
若い細君は軽快な洋装に水色ボンネツトをつけて、宝石の首飾をあたりに見せてゐたが、ふと此方こつちを振向いた顔には、美しい眉と整正せいせいな輪廓と大きい黒い眼とがかゞやいた。
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
ここおいて、孫子そんし使つかひをしてわうはうぜしめていはく、『へいすで整齊せいせいす、わうこころみにくだりてこれし。わうこれもちひんとほつするところ水火すゐくわおもむくといへど可也かなり
しかも隊伍斉々せいせい、士気は高く、馬のいななきもさかんである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
容儀は堂々たるべく正々せいせいたるべしとの家訓は受けておりましても、容貌かおかたちが美しいとかあでやかであるとか、すべてそうしたことは人の口からも聴かなければ
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
(一七)李耳りじ無爲むゐにしておのづかくわす、清靜せいせいにしておのづかただし。
高原地方や山麓の焼土に多く生棲せいせいしていて、特に夏の日中に飛翔ひしょうする小虫をとらえた着眼点にある。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
此の歌などは、万葉としては後期に属するのだが、聖武しょうむ盛世せいせいにあって、歌人等もきそつとめたために、人麿調の復活ともなり、かかる歌も作らるるに至った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
富は祈祷のみに依て来らず、働くは祈るなり(Laborare est orare)、身と心とを神にまか精々せいせい以て働きて見よ、神も宇宙も汝を助け汝の労力はみのるぞかし。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
そいつは、ちょっと見たところでは、きんぎんとでってあるみたいだが、ほんとうはイオウとチャン(コールタールなどを精製せいせいしたときのこるこっかっしょくのかす)
これらは魔法というべきではなく、神教を精誠せいせいによって仰ぐのであるから、魔法としては論ぜざるべきことである。仏教巫徒ふとの「よりまし」「よりき」の事と少し似てはいるであろう。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そんなら断然いよいよ今晩は来ないときまりましたね。ぢや、戸締とじまりして了ひませうか、ほんに今晩のやうな気の霽々せいせいした、しんの底から好い心持の事はありませんよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
見るものに、青青せいせいたらぬ
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)