整々せいせい)” の例文
すぐ鼓楽こがく角笛つのぶえのうちに官兵の旗は列をととのえ、二輛の檻車を中にくるんで鎮台大門から整々せいせいとして出て行った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先触れのあった日、油江口の岸には、兵船をならべ、軍馬兵旗を整々せいせいと立てて、周瑜の着くのを待っていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫子そんし四軍の法を整々せいせいとふんだ小幡民部が軍配ぐんばいぶり、さだめしみごとであろうが、いまは荒涼こうりょうたる星あかり、小屋の屋根から小手をかざしてみた燕作えんさくにも、ただその殺気しか感じられなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
えんたる船陣せんじんをしながら、四方の海から整々せいせい入江いりえへさして集まってくる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この一列が整々せいせいとしてあまたけの本陣へかえってくるまに、富士ふじの山は、銀のかんむりにうすむらさきのよそおいをして、あかつきの空に君臨くんりんし、流るるきりのたえまに、裾野すそのの朝がところどころ明けかけてくる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)